Festival Life編集部は、スペイン・プリマヴェーラとソナーの2フェス(ともにバルセロナ開催)を今年6月に取材した。この時期はまさにヨーロッパのフェスシーズンのど真ん中で、気候的にも過ごしやすく、初めてヨーロッパの音楽フェスを訪れたい方にもおすすめの季節だ。今回は、6〜7月にかけて開催される、日本人におすすめのスペインの音楽フェスを紹介する。
※本記事は、J-WAVE「STEP ONE」【SPAIN ON MY MIND】にて紹介されたフェスの内容をもとに構成しています。
プリマヴェーラ・サウンド / Primavera Sound)
「Primavera Sound」(通称、プリマヴェーラ)は、バルセロナのフォルム公園で開催される都市型フェス。地中海を望む広大な会場で行われ、都市の活気と海辺の開放感を同時に楽しめるのが特徴。インディーロック、ポップス、ヒップホップなど多彩なジャンルを網羅し、毎年豪華なアーティストが出演する。2025年は、チャーリー・XCX(トロイ・シヴァンとのコラボ)、サブリナ・カーペンター、チャペル・ローンなど、シーンを牽引する女性アーティスト3名がヘッドライナーとして登場するなど、常に時代の最先端を行くラインナップが話題となる。秋頃(2024年は10月下旬発表)に翌年のラインナップが発表される。
開催時期:5月末〜6月初旬(2026年は6月4日(木)〜6日(土)開催)
会場:バルセロナ フォルム公園
平均気温(降雨日数/月) 27°/20°(3日)
公式サイト
ソナー / Sónar Festival)
「Sónar Festival」(通称、ソナー)は、”音楽・創造性・テクノロジー”をテーマに掲げる都市型フェス。エレクトロニック・ミュージックを中心に、デジタルアートや先端的なパフォーマンスを楽しめる。また昼間はカンファレンスや展示を行う「Sónar+D」が展開され、学術的な一面も持つ。夜はクラブスタイルの大規模ライブ「Sónar by Night」が行われ、最先端のダンスミュージック/クラブカルチャーを体験できる。2025年はパレスチナ問題に伴うアーティストのボイコットも発生した。2026年は、昼会場として使われていた施設が改修されるため、夜会場であるフィラ・グラン・ビアに集約される見込み。
開催時期:6月中旬(2026年は6月18日(木)〜20日(土))
会場:バルセロナ フィラ・バルセロナ・グラン・ビア
平均気温(降雨日数/月) 27°/20°(3日)
公式サイト
マッド・クール・フェスティバル / Mad Cool Festival
「Mad Cool Festival」(マッド・クール)は、マドリード郊外ビジャベルデ地区で開催される都市型フェス。広大な敷地で行われ、ロック、ポップ、インディー、エレクトロニックなどジャンルを横断する多彩なラインナップが特徴。都市ならではのアクセスの良さと大規模感を兼ね備え、全面人工芝で快適に楽しめる。2025年は、ミューズ、ナインチ・ネイルズ、オリビア・ロドリゴらがヘッドライナーを務めたが、プリマヴェーラが“ここでしか見られない最先端ラインナップ”を特徴とするのに対し、マッドクールは“レジェンドから若手まで誰もが見たい王道ラインナップ”が強みだろう。最終日にはダンスミュージックに特化したイベントも併催される。2026年は10周年を迎えるため、例年以上に豪華なラインナップが期待できるだろう。
開催時期:7月上旬
会場:マドリード ビジャベルデ地区 Iberdrola Music(旧Espacio Madcool)
平均気温(降雨日数/月) 32°/19°(1日)
公式サイト
ビルバオBBKライブ / Bilbao BBK Live
「Bilbao BBK Live」は、スペイン北部のバスク地方にある都市・ビルバオのKobetamendi(コベタメンディ)山麓で開催される野外フェス。都市近郊の自然豊かな環境で行われるのが最大の特徴。毎年国内外の豪華アーティストが出演し、2025年はカイリー・ミノーグ、パルプらがヘッドライナーを務めた。年によっては街中でのイベントも開催され、“音楽+文化+自然体験”を楽しめる。参加する際は、バルセロナやマドリードと比べて雨の確率が高く、山間部での開催のため、雨&寒さ対策を忘れないようにしたい。(動画は2025年の雨のライブの様子)
開催時期:7月上旬(2026年は7月9日(木)〜11日(土))
会場:ビルバオ コベタメンディ
平均気温(降雨日数/月) 26°/16°(6日)
公式サイト
ベニカシム・インターナショナル・フェスティバル / Festival Internacional de Benicàssim
「Festival Internacional de Benicàssim」(略称、FIB)は、バレンシア州カステリョン県ベニカシムの海岸沿いで開催される野外フェス。ビーチリゾートで行われるこのフェスは、音楽と海、自然を同時に楽しめる。オールジャンルのフェスだが、開催地と相まって“夏の音楽バケーション”を体現するイベントとして古くから高い人気がある。初開催は1995年とその歴史は古く、過去にはオアシスやストーンローゼスといった大物も出演経験がある。ソナー同様、主催者とKKRとの関わりによるアーティストのボイコットも起こったが、2025年は、ブラック・キーズ、ブロック・パーティー、ハインズらが登場。もともとニューカマーのフックアップを掲げており、期待の新人や話題のアーティストがラインナップされるのも特徴。
開催時期:7月中旬(2026年は7月16日(木)〜18日(土))
会場:バレンシア ベニカシム
平均気温(降雨日数/月) 30°/20°(1日)
公式サイト
Text:Shotaro Tsuda
Photo:Silvia Villar(Primavera Sound Official)
フェスの歴史に残る3日間スペイン「PRIMAVERA SOUND 2025」現地レポート【#FJPodcast 6月26・27日配信】
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