板東さえかのフジロックレポート【後編】来年また戻ってくるのを誓ったフジロックDAY2-3

はじめまして、ラジオDJの板東さえかです。普段、大阪のラジオ局FM802で毎週火曜(深夜24時~27時)生放送で「Poppin’FLAG!!!」という番組を担当していて、新曲を中心に、国内外の様々なアーティストをゲストに招きトークもたっぷりとお届けしています。そしてなんといってもアウトドアとフェスが大好きということで、ひょんなことからFestival Life編集部にジョインすることになり、参加したフェスをレポートすることになりました。ラジオというメディアとはまた違った視点で空気感や情報を写真とともに発信していく予定ですので、よろしくお願いします!

フジロックDAY2スタート

8月21日(土)、フジロック2日目は雨予報のためレインウェアを持って宿を出発。

キャンプサイトにあるステージ、PYRAMID GARDENから風に乗って聞こえてきた伸びやかな歌声とギター、Yogee New Waves角館健吾くんの弾き語りステージを観ながら朝の一杯に珈琲牛乳を。

PYRAMID GARDENはキャンパーにとってもうひとつのオアシス。CANDLE JUNEさんのキャンドルがずらりと並ぶ魅惑的なステージと、エスニックな香りにそそられるフードブース。

ショップエリアでは、東日本大震災以降取り組まれているLOVE FOR NIPPONプロジェクトを展開。津波で流され、その後引き上げられた衣服にシルクスクリーンでデザインを施したストーリーのあるアパレルはここでしか買えないフジロックグッズでもある。スタッフさんと会話を交わし、〝一期一会〟の1枚をゲット!

例年だと土曜日はピークを迎えるキャンプサイト、だけど今年はご覧の通りゆったりとした様子。ちなみに私はフジロック参加初年度(2014年)とその翌年、大阪から重い荷物を担ぎ、汗だくになりながらテントを張り、思った以上に早く目が覚める朝を経験。

キャンプサイトを奥に進むと、WORLD RESTAURANTエリアとして親しまれ、その後新たに生まれ変わったBLUE GALAXYへ辿り着く道が続いている。今年はそのエリアがROOKIE A GO GO、苗場食堂ステージが繰り広げられる仕様に。長椅子が並べられていてひと休みするのにも良さそう。

2日目のライブがスタート

2日目は10:30からWHITE STAGEでtricot、RED MARQUEEでMega Shinnosukeが同時にライブスタート。場内に踏み入れたときにはGREEN STAGEでスカサウンドを高らかに鳴らすKEMURIがはじまっていた!

12:00~ DENIMS@RED MARQUEE

同郷の先輩であり大学の先輩でもある大阪の4人組が5年ぶりにフジロック出演。前回の苗場食堂を経てメインステージには初登場。自然と身体が揺れる持ち前のグルーヴと、攻めた最新曲『RAGE』で今のモードを見せつける。「前身バンドでROOKIE A GO GOに出演してから10年、続けてきてよかった」と、バンドのストーリーにも盛大な拍手が送られた。

12:50~ SIRUP@GREEN STAGE

GREEN STAGEには同じく大阪出身のSIRUPが舞い降り、色気ある歌声にうっとりさせてくれる。2年ぶりのフジロック開催、ふかふかに育った芝生の上で座ったり寝転んだり踊ったり、オーディエンスも自由に音と遊んでいる。たくさんのトンボも宙を舞っている。

気のせいかもしれないけど…例年こんなにいたかしら、昆虫。トンボの他にバッタ、チョウチョウ、カナブンにイモリも見たな。もちろんセミも鳴いてる。

そして気づきはもう一つ。愉快で微笑ましい空間、子供たちの楽園KIDS LANDの通りには、紫陽花が!うるうるな紫陽花!8月なのに?!

そして苗場の大自然といえば、ところ天国というエリアにある川。フジロックのアイコン、ゴンちゃんも気持ちよさそう

初めて足をつけてみたのだけど、めちゃめちゃ冷たい!水から上がってじっとしていたらじんわり温まってくるぐらい、冷たい。指先から血の巡りが良くなったみたい。これは良い!2日目、3日目の疲労回復にオススメです。

休憩を終えてまたライブへ

そうこうしてるうちにベンジーこと浅井健一さんの声が聴こえてきた!

13:50~ AJICO@WHITE STAGE

復活のステージ!といえど、次いつ生で観られるかわからない。しかと目に焼き付ける。そんな空気が漂ってるように感じた。TOKIEさんのベースがまた…かっこいい。UAさんの飾らないMCにも心がふわっと軽くなる。

そして、GREEN STAGEではじまってる、サンボマスター!「心の中で叫びまくれる人ぉぉぉ」に大人が子供のように両手を広げる、絶景。サンボマスターがくれるものってなんなんだろう。「泣くんじゃねえぞ」って言われると泣いちゃうし、「笑え笑え」と言われても泣いちゃう。素直にさせてくれるのかもしれないなぁ。放心状態になる前に、OASISへ。

気分は海老の油そば。豪快に〝まぜて食べるっ!!〟

「美味しいな~」とのんびり食べていたら頭上の雲行きが怪しくなり…ここで、フジロック恒例のゲリラ豪雨。タイミング良く屋根のあるRED MARQUEEに逃げ込めた私はそのまま次のアクトを待つことに。

かなり激しい雨。吹き荒れてる。でもこれもまたフジロック。ステージに立つアーティストはこの天候を味方につけてしまえる強者揃いなんですよね。というわけで、ハイライトの予感。

15:50~ milet@RED MARQUEE

入場規制がかかったRED MARQUEE、ステージに合わせた真っ赤なドレスで登場。初の全国ツアーを敢行し、仕上がったグルーヴ。タイトなバンドサウンドに負けない凄まじい声量、フジの音響で浴びると尚、圧倒的…!オリンピック閉会式での歌唱も話題になり、前日にはMAN WITH A MISSIONのステージにも客演していた彼女。初めて〝生〟で観る人もきっと多い中、抜群のパフォーマンスと飾らないMCでムードメイク。流石。

miletのステージは配信がなかったため、少し詳しめにレポートすると、放送中のドラマ主題歌でもある『Ordinary Days』では歌っている本人が感極まり声を詰まらせるシーンが。私の涙腺も崩壊した。そのあとくるっとその場でまわってみせて、次の曲では何事もなかったかのようにエネルギッシュな歌を聴かせてくれた。オーディエンスのリアクションから〝届いてる〟ってことが実感できたんじゃないかな。ライブってこれよね!

そして、雨は上がってる。milet嬢、持ってる。

16:50~ ザ・クロマニヨンズ@GREEN STAGE

甲本ヒロトさんが姿を現した、ロックスター。「どんどん行こうねぇええ~!」とどんどん鳴らす、畳み掛ける。「みなさんのおっきな声がよく聞こえます!みんなの分まででっかい声出すからねー!」。かっこいいなぁ(涙)。

ふと辺りを見回すとステージを見つめているご夫婦が目に止まる。きっとこの空間を愛するフジロッカー。1日目とはまた違った会場のムードはきっとあのご夫婦のように2年ぶりに苗場へ帰ってきた人たちが作り出してるものなのかもしれない、と思った。

17:50~ MONOEYES@WHITE STAGE

ただただ拳突き上げ頭を振り乱し全身で、浴びた。細美さんの「おれは歌を歌うのがこの世でなにより楽しくて生き甲斐です、だからやれる限りはやりたいです。開催してくれてありがとうございます。」という言葉にこっちも笑顔になる。

MONOEYESの楽曲の中では特にピースな景色が広がる『Two Little Fishes』、イントロが鳴った瞬間オーディエンスはもうウズウズしてる。そして期待通りTOSHI-LOWさんのお出まし。ファンの中ではおなじみなのだが、この曲ではこれまでも様々な現場でTOSHI-LOWさんがオンステージし、コーラスを重ね、愉快に踊る。細美さんはその隣で、とても笑う。フジロックでも例に漏れず。ピース!

だんだんと陽が沈みかける中ライトチェーンが点くボードウォークを辿り、夜の顔と様変わりした苗場食堂へ。

18:45~ AAAMYYY@苗場食堂

入場規制のアナウンスが聞こえた、早めに来てよかった。バックバンドはソウルメイトたちが支え、フロントをとるAAAMYYY。真っ暗な森の中を響き渡る妖艶な歌声。あー最高。アルバムリリース直後で聴きたい曲も満載だったし、低音もかなり気持ちよかった、とふわふわしながら、2日目のヘッドライナーにむけて備える。どのあたりで観よう、ポジショニングも重要。

21:00~ King Gnu@GREEN STAGE

なだらかな丘になっている中間、ステージ全体と左右のビジョンが確認できる位置で待機。凄まじい数の視線が集まってる。今か今かと待ちわびた先で、じりじりと迫り来る『飛行艇』で始まった。フロントを立てないからこそKing Gnuのステージ上は全員にフォーカスが当たる。スキルが高いだけじゃなく、とても丁寧な演奏だというのが破格の音響下(爆音) でよくわかる。聴かせる力。

ステージでどんなことが伝えられるのか、そこにも注目は集まっていたと思う。私もアーティストの言葉から答えを見出そうとしていた1人だったから。もしかしたらあの場に居た人たちも同じような心持ちだったのかもしれず、それが一種の一体感を生んでいたのかもしれなくて。鳴り止まない拍手はできる精一杯のアンサー。

容量一杯。今日はもう満たされた。

最終日に向けて体力補充!

帰りに再びPYRAMID GARDENに立ち寄り、フォーとノンアルコールビールで空腹も満たす。

1日の締めくくりにはテントサイト入り口、普段からよく立ち寄っている大阪のコーヒースタンド・タソガレコーヒーの出店ブースでホットチャイを。ここで今年はじめて大阪の友達と会えて嬉しかった。


この日の歩数は37,590歩。休足時間、頼んだぞ。(DAY3に続く)

次ページ
フジロック最終日をレポート

1 2
全国フェス検索