板東さえかのフジロックレポート【前編】ひたすら歩いた、観た、感じたフジロックDAY1

はじめまして、ラジオDJの板東さえかです。普段、大阪のラジオ局FM802で毎週火曜(深夜24時~27時)生放送で「Poppin’FLAG!!!」という番組を担当していて、新曲を中心に、国内外の様々なアーティストをゲストに招きトークもたっぷりとお届けしています。そしてなんといってもアウトドアとフェスが大好きということで、ひょんなことからFestival Life編集部にジョインすることになり、参加したフェスをレポートすることになりました。ラジオというメディアとはまた違った視点で空気感や情報を写真とともに発信していく予定ですので、よろしくお願いします!

記念すべき第1回目のレポートは、8月に開催された「フジロック・フェスティバル’21」。新型コロナウイルスの影響もあり、いつもとは違う〝特別なフジロック〟のラインナップは国内アーティストのみで彩られました。主催サイドの考慮が伝わるタイムテーブルとにらめっこし、会場、ステージをイメージしただけでも「身体が足らない…」と何度こぼしたことか!(開催前のFestival Junkie Podcastにてその模様を公開。今聴いても究極の選択ばかり…!) そんな特別なフジロックに大阪から参加してきた3日間を、写真とともに前編・後編に分けて振り返ります。

フジロックDAY1スタート

8月20日(金)、始発で大阪から新潟へと向かう。道中は雨が降っていたり晴れていたり。車窓を眺めながら、2年ぶりのフジロックに胸が高鳴る。だけどいつもとは違う心持ち。

およそ4時間半の移動を経て、会場最寄りの越後湯沢駅に到着。そこからはシャトルバスで会場へ。かかった時間は1時間弱。乗車前にフジロック公式アプリに事前登録していた問診票を提示して、気が引き締まる。初めてここへ来たときの気持ちを思い出して新鮮な気持ちでまずは1枚。空の青と山の緑のコントラストがまぁ綺麗!

バス車内のBGMは忌野清志郎さんの『田舎へ行こう!』。〝いつも通り〟に少しほっとした瞬間だった。

そしていよいよ会場入り。例年とレイアウトが変わっているのは事前に確認していたのでふむふむ…と頭に入れるように歩きつつ、入り口に近づいていく。体温測定や荷物チェックを終えて、会場に入るとすぐにゴンちゃん発見!〝いつも通り〟にまた少しほっと。もう音は近づいてる。

それにしてもいい天気!!このときは…11時台で27度前後。例年より1ヶ月時期を遅らせての開催のため、天気や気温が読めないのも〝特別なフジロック〟だったけど、風が気持ちよく快適な気候。

ゲートをくぐると仮設トイレがずらり。その手前にユニークなスタイルのアルコール消毒スポットを発見。


急いでいたのでこのときは横目に過ぎたけれど、翌日近づいて確認した1枚がこちら。

「同感」と心の中でつぶやき、手指にシュッ。

怒涛のライブラッシュ

12:00~ TENDOUJI@RED MARQUEE

TENDOUJIのステージから〝生〟のフジロック’21スタート。この日に向けて赤色に髪を染めた(Vo/Gt)ケンジくんことアサノケンジ、(Ba)よっしーことヨシダタカマサが一段と輝いてる!とにかく楽しくて、でも胸がギュッとする。TENDOUJIのバイブスは音になって「苗場におかえり~!」をくれた。ただいま~!!

12:50~ yonige@GREEN STAGE

フジロック初登場のyonigeへ。一切の煽りなく低体温なセットリスト。淡々と、だけど静かに燃えてる感じがyonigeらしくて最高。バックに青空。ステージから見える景色はどうだったんだろう、今度機会があれば本人に聴いてみたい。

13:50~ DYGL@WHITE STAGE

(Dr)嘉本くんがまさかのギターパート!?サポートドラマーを迎えた4人はレイヤーが増した、美しくて心地の良いバンドアンサンブルを響かせる。〝青空の下、拳突き上げソングを作りたい〟とできた『Half Of Me』をまさに!なシチュエーションで聴けたのが嬉しかった。(Vo)秋山くんの「(ここにいる間)苗場の外の世界も繋がってることを思いながら過ごせたら」という言葉が心に残る。いつもは〝非現実的な空間や体験〟を求めてやって来たけど、今年は違う。考えながら過ごす覚悟を今一度。

ちなみに、ステージ前のフロアの足元には等間隔で印が打たれていた。地面は砂利のWHITE STAGE、大変な作業だったと察する。このスペースを保って、楽しませて頂きます。

14:50〜 くるり@GREEN STAGE

次にGREEN STAGEに移動してくるり。向かってる道中で音が…『HOW TO GO』?!足早に。それぞれがゆったりとステージを眺めてる景色、ご褒美のようなセットリストに「来てよかった…」って思えた。そう思わせてくれるようなセットリスト。シャワーみたいな雨が一瞬振り、〝来年も会いましょう さぁここへおいでよ〟とラストは『奇跡』で締め括られた。思い出しても涙腺が緩むなぁ。

そして、カメラマンに遭遇したので、1枚スナップしてもらいました。


この日のファッションのポイントは、ユーズドバンドTシャツのリメイクで1点もののトップス!フェスは汚れても大丈夫な古着をセレクトするのがマイルール。今年の新入り、KiUのウォータープルーフロンジースカートは嬉しい撥水加工と、とにかく軽くて楽なのでおすすめです。

DAY1終盤はフジロック奥地へ

このあたりで腹ごしらえのため、飲食店が並ぶOASISエリアへ。


とりあえず、もち豚串をもくもくとほおばった。〝いつも通り〟美味しい!

17:30~ KID FRESINO@WHITE STAGE

GREEN STAGEで火が出ていたSiMの豪快なステージを観ながら移動し、WHITE STAGEのKID FRESINOをサウンドチェックから。

バタバタ動き回ってるためステージが始まる前に待機することはあまりなかったけど、サウンドチェックが観られるのは同じステージに多数のアーティストが登場するフェスならでは。スーパープレイヤーたちと普段どんな風にやりとりをして中音を調整しているのか覗けたのも面白かった。

いざライブがはじまると、オーディエンスにも気さくにコミュニケーションを取っていたり、当日ステージに立てなかった仲間に向けて(配信用カメラに)呼びかけたりとライブならではのワンシーンも。

だんだん空の色も暗く変わり始め、このタイミングでようやくWHITE STAGEより奥、FIELD OF HEAVENを一旦通り過ぎ、Gypsy Avalonに到着すると、カラフルなマッドバニーたちも健在。

「気持ちいい気候だな~」とふと確認すると22度。長袖1枚、羽織り要らずで適温。猪苗代湖ズの親密な音と会話を聴きながらゆっくり陽が落ちるのを待つ。

19:30~ Tempalay@FIELD OF HEAVEN

そして楽しみにしていたTempalayのライブ。ステージの真正面、音響/照明ブースの上で回るミラーボールが周囲の木々を照らしていて、なんとも幻想的な空間。ヘヴン大好き。サウンドチェックでゆらゆら帝国の『空洞です』を披露。粋やなぁ~とニヤっとしたのは私だけじゃないはず。

フジロックで観た海外アーティストのステージをきっかけに、結成されたTempalay。FIELD OF HEAVENが似合う。そして最新曲『あびばのんのん』が味わわせてくれる極楽たるや。このステージはビジョンがないためアーティストの手元や表情は見えづらい、がそれがまた引力になって呑み込まれていく。夜のTempalay、素晴らしかった

そういえばこのとき月が出ていて、夜空をじーっと見つめていたら星がいくつも見えてきた。

写真には星は映らないけど、大自然を満喫!

さて、ここからは怒涛の時間。ヘッドライナーのRADWIMPS、見逃せないmillenium parade、初めて目にする坂本慎太郎さん…走り回った。せっかく来たのだから欲張りたい。

そして空腹だったことをここで思い出し、Avalonに移動していたハイジカレーに辿り着く。

ハイジカレーは毎年列が出来る人気メニューで、この日初めて食べることができた。記念にチーズのせ。ぺろっと食べて、歩く力が湧いた。

長い道のりを抜けて宿に到着。ここでDAY1終了。

おもむろにiPhoneのヘルスケアアプリを開いて歩数を確認。33,237歩。これはこれは…明日が怖い。(後編に続く)

Text/Photo:板東さえか
Top Photo/Snap:Takuma Utoo

板東さえかのフジロックレポート【後編】来年また戻ってくるのを誓ったフジロックDAY2-3

板東さえか
大阪生まれ大阪育ち、生まれてこの方あだ名は〝ばんちゃん〟。学生時代よりライブハウスに足繁く通い様々な音楽フェスへも行くようになり、北海道RISING SUN ROCK FESTIVALで初めてのキャンプインフェスを経験したことがきっかけでアウトドア、キャンプに魅了される。現在FM802 毎週(火)深夜24時〜27時「Poppin’FLAG!!!」にて音楽を中心に〝アクティブ〟をコンセプトとしたカルチャー発信中。 Instgram

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