【FUJI ROCK FESTIVAL’18】ヘブンのトリを務めた全米屈指のライヴ・バンド、グリーンスカイ・ブルーグラス独占インタビュー

ミシガン州カラマズーの5人組、GREENSKY BLUEGRASS(グリーンスカイ・ブルーグラス)。2000年の結成以来、ブルーグラス・シーンとジャム・バンド・シーンを股に掛け、活躍してきた彼らは今や全米屈指のライヴ・バンドとして人気を集め、全米各地のフェスティバルにひっぱりだこだという。

その彼らが「FUJI ROCK FESTIVAL’18」に出演するため、初来日を実現させた。3日目(29日)のフィールドオブヘブンでトリを務めるバンドを代表して、アンダース・ベック(ドブロ)とポール・ホフマン(マンドリン)の2人にインタビュー。

彼らの音楽の魅力について聞いてみたところ、「トラディショナルなブルーグラスをやっているわけではない。ロックンロールのエネルギーがあるんだ」という答えが返ってきたが、確かにダイナミックなライティングとサイケデリックなサウンドが一つになった彼らのライヴは、ヒゲ面のワイルドなルックスもあいまってマイ・モニーニング・ジャケットを連想させるものでもあった。

熱演そのものが観客を興奮させるわけだから、ヒット曲や有名な曲のあるなしは関係ない。なるほど、このやり方で彼らは全米のオーディンスを虜にしてきたわけだ。この夜、ヴァンパイア・ウィークエンドやダーティ・プロジェクターズが演奏している時間にフィィールドオブヘブンに集まった、予想以上に多くの観客も迫力満点の演奏に惜しみない拍手と喝采を贈った。そこにはトリにふさわしい熱狂が生まれていた。

因みに、この日、グリーンステージに出演したジャック・ジョンソンの演奏に「新しい友だち」と紹介され、「ビッグ・サー」と「ブレイクダウン」の2曲に客演したアンダースとポールは「ブレイクダウン」で見事なソロを即興で披露。ジャムで鍛えてきたプレイヤビリティの高さをアピールしながら大観衆を沸かせたのだった。

INTERVIEW:GREENSKY BLUEGRASS

-苗場に着いたばかりですが、フジロックフェスティバルの第一印象は?

アンダース: 気に入ったよ。ここに着いてまず、なんて美しい場所なんだって思ったよ。ここまでのドライヴも景色が素晴らしかった。日本には1週間前に着いたんだけど、日本が大好きになったよ。

ポール: 5日間、東京で観光客として過ごしたんだけど、今回、初めての日本だから、日本の人たちの人柄や文化を知ることができてすごく楽しかった。フジロックにミュージシャンとして参加できるなんて、とても気分がいいよ。

―さっき夏になると、毎週末、各地のフェスに出演していると言っていたほど、グリーンスカイ・ブルーグラスは多くのフェスに出演していますが、みなさんにとって、フェスで演奏するおもしろさは、どんなことでしょうか?

アンダース: 最初はね、新しいファンを獲得することに興奮していたんだ。まだ、そんなに知られていなかったころ、1万人以上のオーディエンスが集まるフェスで演奏するってことは、多くのたちにバンドの存在を知ってもらう絶好のチャンスだったから、自分たちのことを知ってもらえるのがすごくうれしかった。もちろん、今もそういう楽しさはある。でも、俺たちもそのころから成長したし、俺たちのことを知ってくれている人たちも増えたしね。今のメインの楽しさは、フェスを楽しんでいる大観衆が持っている生々しくて、ピュアなエネルギーを感じられることかな。

ポール: そうだね。まったくそのとおりだと思う。そこに一つつけ加えるとしたら、俺たちも他のバンドの演奏を見られることだね。毎週末、自分たちがライヴをやっていると、他のバンドを見に行くことができない。でも、フェスなら見られるだろ?お互いツアーに出ていて、すれ違ってばかりいる友だちのバンドにフェスなら会えるんだよ。俺たち、イケてるバンドに友だちがいっぱいいるからさ(笑)。要するに、毎週末、家族の集まりがあるみたいなものなんだよ。

―今回のフジロック・フェスティバルで誰かみたいアクトはいますか?

ポール: チャーチズ!俺はチャーチズが大好きなんだ。それとケンドリック・ラマー、(N.E.R.D.の)ファレル・ウィリアムズ。

アンダース: ケンドリックは今夜だったよね。

ポール: でも、一番見たいのは日本のバンドかな。東京でバーに行ったら、アメリカの音楽がかかっていてさ。それよりも俺たちが知らない日本の音楽をかけてほしいと思ったよ。「アイ・オブ・ザ・タイガー」?それはもうイヤってくらい聴いたよみたいなね(笑)。

アンダース: ハハハハ!アメリカでは見られないようなね、日本の新しいバンドを見たいな。何が見られるかな?今からわくわくしてるよ。もちろん、ボブ・ディランも楽しみだよ。

次ページ:フェスでの演奏&ニューアルバムについて

Shouted, Written Down & Quoted
Shouted, Written Down & Quoted

posted with amazlet at 18.08.16
Big Blue Zoo Records (2016-09-23)
売り上げランキング: 10,762
1 2
全国フェス検索