イギリス「Glastonbury」やアメリカ「Coachella」と並び、世界的にも人気の高いスペイン「Primavera Sound」(通称、プリマヴェーラ)。これまでFestival Life では、現地レポートやFestival Junkie Podcastでの音声配信でその模様をお届けしてきたが、今回は実際に参加する/参加を検討している人向けに、チケット〜現地でのお役立ち情報まで、実際にプリマヴェーラを取材したスタッフの意見を踏まえて、詳細情報&注意点をまとめました。
※本記事の内容は2025年7月時点の情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください。
Primavera Soundとは…
スペイン・バルセロナ都心部の海岸沿いの公園にて開催される音楽フェス。ジャンルに縛られることのない、現在の音楽シーンを凝縮したラインナップは、常に世界中の音楽ファンの注目を集める。(THE WORLD FESTIVAL GUIDEより)
フェスの歴史に残る3日間スペイン「PRIMAVERA SOUND 2025」現地レポート【#FJPodcast 6月26・27日配信】
1.2026年開催詳細
2026年も例年同様、6月上旬にバルセロナ・フォルム公園で開催することが発表されている。また「Primavera Sound」の開催に合わせて、「Primavera Pro」というイベントも行われる。こちらはフェス会場とは別に都心部でカンファレンスやショーケースライブが展開され、「Primavera Sound」とは別のチケットが必要となる。(一部カンファレンスやショーケースライブは無料)
またバルセロナ以外に、翌週にポルトガルでも開催されるのも特徴のひとつ。ラインナップはバルセロナ同様のアーティストが並ぶが、出演者数はやや少なく、ヘッドライナーも一部変わることがある。
バルセロナ、ポルトガルともにラインナップの発表は毎年秋〜冬あたり。(2024年は10月末に発表)
【スペイン】Primavera Sound Barcelona 2025
日時:2026年6月4日(水)~8日(土)
会場:スペイン・バルセロナ・フォルム公園
https://www.primaverasound.com/en/barcelona
【ポルトガル】Primavera Sound Porto 2025
日時:2026年6月11日(木)~13日(土)
会場:ポルトガル・ポルト・シダーデ・ド・ポルト公園
https://www.primaverasound.com/en/porto
編集部アドバイス
木〜土曜の3日間の開催となるが、本祭前の月〜水曜、さらに開催後の日曜にも都心部のライブハウスで関連イベント(Primavera a la Ciutat)が行われる。本祭に出演するアーティストが出演する場合もあるし、本祭には出演せずライブハウスのみに出演するアーティストも(2025年はKNEECAPがフェス後のライブハウスのみに出演し話題に)。この辺りのスケジュールも踏まえてバルセロナの滞在期間を決めるとベター。ちなみにフェスのチケット保有者は無料で参加できるがアプリ(2025年はACCESS TICKETというアプリ)からの事前予約が必要。
2.チケット
6月上旬のフェス終了後、1週間程度でEarly Bird(先行割引)が限定販売される(2025年は6月12日〜19日)。その後は、公式サイトにて「Full Festival Pass」(一般通し券/VIP)の販売がスタート。例年秋〜冬ごろに翌年のラインナップが発表され、このタイミングに合わせて1日券が販売スタートとなる。
購入方法はシンプルで、公式サイトからチケット販売プラットフォーム(fever、AccessTicketなど)に遷移(下記写真はfeverの画面)し、「メールアドレス」「名前」「国籍」などを記入し、クレジットカード、apple pay、paypalなどで決済可能。Refund付きプランにすると、購入後にリセールも可。購入後に送られてくるメールやフェスの公式アプリ(事前にACCESS TICKETに連携が必要)をフェス当日にエントランスで掲示し、リストバンドに交換して入場できる。
券種・価格について
チケット価格は一般パス(3日通し)が€275〜350程度、VIPパスは€495〜545、1日券は€135、1日VIPは€195という価格帯が目安。フェス開催が近づくにつれ金額が上がっていく。さらにここにRefundプランや手数料が加えられた価格での購入となる。(下記価格は昨年のチケット単体ベース)
VIPチケット
1.5〜2倍程度の価格だが、並ばず入場できる専用エントランスや、専用の観覧エリア(メインステージ横の高台など)が用意されている。トイレもVIPエリアに用意されているので、より快適に過ごしたい方におすすめ。ただし、プリマヴェーラは都市型フェスかつ、全体的に会場施設もクリーンかつコンパクトなため、一般チケットでも問題なく快適に過ごすことができる。
・Festival Pass(3日通し):約 €275〜350(約47,000円〜)
・VIP Pass(3日通し):約 €480〜545(約82,000円〜)
・Day Ticket(1日券):約 €135(約23,000円〜)
・VIP Ticket(1日券):約 €195(約33,000円〜)
・Primavera Pro:約 €310〜(約53,000円〜)
編集部アドバイス
秋にラインナップが発表されると一気にチケットがソールドアウトになることも。Refund付きプラン(+16ユーロなので+3,000円程度)にしておくと急遽都合が悪くなっても返金可能なので安心。早ければ早い方が安いことに加え、2025年は全券種ソールドアウトとなり多くの人がチケット難民になっていたので、予定が決まっていたらできるだけ早くチケットを確保しておきたい。
3.アクセス
日本〜バルセロナ
日本からスペイン・バルセロナの直行便はないので、アジアや中東、またはヨーロッパの各都市での乗り継ぎが必須。乗り継ぎ時間を含めると大体20時間前後かかる。航空会社や購入時期によって費用はまちまちだが、東京発であれば、おおよそ10万円台前半(中国国際航空など)〜20万円前後(トルコ航空、エミレーツなど)が相場。(2025年7月にエコノミー座席を検索)
空港〜バルセロナ市内
バルセロナ空港(バルセロナ・エル・プラット空港)から市内へのアクセスは、鉄道、バス、タクシー、配車サービスなど様々な手段がある。電車で約30分、車で約30~45分程度。複数人での移動の場合はUBERがおすすめ。(30〜50ユーロ程度)
バルセロナ市内〜フェス会場(Primavera Sound)
市内からのアクセスも良いフォルム公園(市内中心地から北東)で開催されるので、地下鉄やトラムなどの公共交通機関での来場が一般的。地下鉄の最寄り駅はL4(イエローライン)のEl Maresme|Forum駅。トラムだとTrambesosT4線のForum停留所から徒歩10分以内。UBERで向かうと、時間帯によっては渋滞で遠くに降ろされるので注意。
フェス会場〜宿泊先(深夜)
フェス終了時間が遅いため、地下鉄(土曜は朝まである)やトラムがやっていない。その代わり深夜帯はフェスの公式有料バスや公共のナイトバスが運行している。UBERやタクシーは捕まりにくいことに加え、値段は昼より高め。
・シャトルバス:会場近くの発着所〜カタルーニャ広場行き(深夜〜5・6時まで)
・ナイトバス:会場近くの停留所からN6、N7、N28が運行(11時〜6時)
レンタルバイクもあり!
LimeやVoiというレンタル自転車でフェスに参加する人も多く見かけるようになった。指定の自転車乗り場でアプリを使ってすぐに利用可能。10分単位で借りられるので近距離の移動にも便利。フェス会場の近くにも行きに自転車で来る人が多いので、空車をアプリのGPS機能で見つけてみよう。
関連イベント
フェス期間中にカンファレンスやショーケースライブが行われる「Primavera Pro」(別途チケットが必要。一部無料セッションなども)は、市内中心部のカタルーニャ広場から徒歩8分程度のCCCB(バルセロナ現代文化センター)にて行われる。フェス前後で行われるライブ企画「Primavera a la Ciutat」(参加ライブはフェス公式アプリで予約が必要)は、コロンブスの記念塔から徒歩10分程度のSala Apoloなど、複数のライブハウスにて行われる。どちらも観光地と近いので、食事やショッピングと合わせて訪れてみるのもおすすめ。
・Primavera Pro @CCCB(バルセロナ現代文化センター)
・Primavera a la Ciutat @Sala Apolo ほか複数会場
編集部アドバイス
フェスの開始時間が遅いので、それに伴いヘッドライナー終了時間も深夜になる。公式のシャトルバスやナイトバスなども充実しているが、UBERやタクシーは会場近くでは捕まりにくいので、フェスの会場入りまでの過ごし方やフェスからの帰宅時間によって宿泊先を選んでおく(ナイトバスの路線近くやカタルーニャ広場近く)と帰宅難民になることを避けられる。公式サイトにも詳しく公共交通機関などの説明が載っているので事前にチェックしておこう。
4.宿泊事情
バルセロナ市内に宿泊施設は多く、高級ホテルから安宿、Airbnbまで選択肢は広いが、観光シーズンに加えて、フェス開催中ということもあり、とにかく宿泊先は早めに確保しておきたい。
フェス会場付近は高騰かつ空き残小
予算に余裕がある、かつ週末はがっつりフェスだけを楽しみたいという方は、帰りのことも考えて、フェス会場徒歩圏内の宿が便利だが、かなり高騰している&日程が発表された段階で空きが少なくなっている。
おすすめは深夜バスの停留所近く
フェスの終了時間が遅いため、必然的に深夜のナイトバスor公式バスを使うことが多くなるので、ナイトバスの路線(N6、N7、N28)の停留所近く、または公式バスの発着所であるカタルーニャ広場付近で宿を探すのがおすすめ。フェスからの帰宅者が多いため、深夜でも比較的治安面も安心だが、停留所や発着所から近い宿がより安心。
編集部アドバイス
深夜終了のフェスということで帰宅の足が心配になると思うが、上記のように夜のバスを起点に宿泊場所を選ぶと失敗が少ないはず。治安面も上記写真(著者撮影)のように深夜でも満員になることが多い。会場至近の宿は超高額だが、30分徒歩圏内あたりから宿もちらほらあるので、深夜バスに乗りたくないという方はその条件で検索するのもアリ。
5.服装&持ち物
6月の最高/最低平均気温は27度/20度と、昼間は暑く、夜は涼しく過ごしやすいのがこの時期のバルセロナ。都市型フェスということもあり、基本的にはラフな格好で参加している人が多い。(上記写真参照)フェス自体は夕方あたりのスタートになるので、暑さ対策より夜の冷え対策の方が重要。
夜の寒さ対策
気候的には昼間は暑く、半袖半ズボンでも問題ないが、夜は割と冷え込むので長袖があった方がベター。途中で長袖が必要になった場合は、物販などで購入するのも賢い選択。冷えると急に長袖Tシャツやスウェットが完売になるのでお早めに。
雨対策は必要?
バルセロナの6月の平均降雨は3日なので雨の心配は少ない。雨予報以外は雨具の準備は必要ない。ただし会場は屋根が少ないので雨予報の場合のみ、防水・撥水のアウターやポンチョがあるとベター。(地元の参加者はほとんど持参していない)
荷物は預けられる?
会場内には有料のクロークが設置される年もあるが、基本的には用意されていないと思っていた方がよい。大きな荷物がある場合やフェス会場に入る前にお土産などを購入した際は一旦宿に荷物を置いておいた方が安心。また会場内でグッズをたくさん購入する予定の日はリュックなどを持っていっておく&人気商品でない場合は帰り際に購入するのがおすすめ。ちなみにVIPパス入場者には初日はトートバッグなどのグッズ(年によって違う)が配布される。
フェス公式&アーティストグッズも充実
フェス公式Tシャツも複数パターン用意されており、Tシャツ以外にもスウェットや帽子、マグカップなど公式グッズが豊富に揃っている。物販エリアはエントランスとメインステージの二箇所に設置されているが、エントランスの方が豊富に揃っている。
編集部アドバイス
他の海外フェスと比較しても、グッズが充実しているプリマヴェーラ。プリマヴェーラに合わせたアーティストグッズが販売されることもあるので物販は毎日訪れるべし!(2025年はサブリナ・カーペンターがプリマヴェーラ特別仕様のTシャツを販売)。また企業ブースでもフェスとのコラボグッズが展開されていることもあるのでぜひチェックしてみてほしい。
6.会場案内
海外沿いの大きな公園を使っており、毎年大小合わせて10弱のステージが設置される。メインステージは2つのステージが並び、交互に演奏される形式。タイムテーブルの重なりもかなり多いが、メインステージから端のステージまでは徒歩10〜15分程度で移動可能。ステージ名はスポンサー企業によって変化するので注意。(上記マップ画像は2025年のもの)
休憩所&トイレも豊富!
メインステージの広大なエリアには人工芝が敷かれており、座ってライブを鑑賞することも可能。ステージ以外にも休憩エリアや椅子がたくさん用意されているのでゆったりと過ごすことができる。トイレの数も多いが、夜はやや混むので早めに済ましておくのが吉。トイレは水洗だが、夜になれば汚れが目立つところもあるが、常にスタッフが清掃している(超高速)ので、清掃後すぐのトイレを狙えば綺麗な状態で使用できる。
充実の飲食エリア
飲食エリアが広く配置されており様々なフードが楽しめる。平均すると1食10〜15ユーロ程度。ビール会社がスポンサーについており、会場の至る所でビール(1杯7ユーロ程度)を購入できる。その年のラインナップやデザインが入ったリユースカップが使われているのでたくさん飲んでお土産にするのもあり。
再入場は可能だが…
会場の再入場は可能だが、周囲はアパートメントなどが多く、飲食店などは少ない。一旦会場に入ったら食事や買い物はフェス会場の中で済ませた方が良い。
フェス関連アプリをDLしておこう
紙のマップなどは配布されないので、会場マップやタイムテーブルなどはフェスの公式アプリでDLしておこう。前後のライブイベントはACCESS TICKETというアプリにて予約可能。
編集部アドバイス
会場内の飲食エリアは充実しているが、会場付近に飲食店などが少なく、市内の中心部で観光や食事を楽しんでからフェスに参加するのがおすすめ。会場内の楽しみ方はFestival Junkie Podcastのプリマヴェーラ特集回でも紹介している&会場外については、「フェスと合わせて訪れたいバルセロナ観光スポット特集」も近日公開予定なのでぜひチェックしてみてください。
Text:津田昌太朗
Image:Primavera Sound Barcelona Official
フェスの歴史に残る3日間スペイン「PRIMAVERA SOUND 2025」現地レポート【#FJPodcast 6月26・27日配信】
【Primavera Sound Porto】ポルトガル・プリマヴェーラ現地配信。SZA、LANA DEL RAYのライブはどうだった!?【#FJPodcast 6月13日/30日配信回】
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