「Tokyo Crossover/Jazz Festival 2021」7年ぶり開催決定、11月に国内勢のみで新木場ageHaにて

2021年11月20日(土)に東京・新木場ageHaにて、「Tokyo Crossover/Jazz Festival 2021」が7年ぶりに開催される。

ヘッドライナーは山下洋輔氏との共演で知られるジャズ・レジェンド森山威男、さらにMURO、NORIDJ、KOCO a.k.a. SHIMOKITA、松浦俊夫らの出演も発表されている。

本フェスは、ZAIKOにて、ARENA-LIVEステージの様子が生配信される予定となっている。

また、10月21日(木)にはオンラインプレパーティーとして、渋谷The Roomより、Shuya Okino & DJ KAWASAKI Back to Back DJ Setが配信される。

沖野修也氏 メッセージ

Tokyo Crossover/Jazz Festival 略してTCJF(ティー・シー・ジェイ・エフ)が復活します。2020年初頭にも某レコード会社と組んで開催を⽬論んでいたのですが、コロナの流⾏で話は断ち消えに・・・。2020年後半には2021年に東京(⽇本)と⾼雄(台湾)の共催案が浮上するもののこれも2022年に延期・・・。

ターニング・ポイントは、2021年5⽉29⽇の代官⼭UNITで⾏われたDJ KAWASAKIのアルバム・リリース・パーティーでした。あのイベントを僕は、TCJF presentsと題し、密かに復活を予感させる狼煙を上げます。そして、イベント中に、僕は確信したのです。ミュージシャンもオーディエンスも求めていたのはこれなんだ!と。

コロナ禍で動画配信という新しいフォーマットでのDJやライブの視聴の可能性は広がりました。ただ、⽬の前で⼈が演奏しているのを⽬撃し、全⾝で⾳を浴びる快感は何物にも代えられない!と再認識したのです。⾳楽を爆⾳で聴いて踊ることの喜び。

ソーシャル・ディスタンス・ルールで距離はあったものの⾒渡せば、同じ⾳楽を愛好する仲間達の姿が⾃分を囲んでいる。僕たちは決して⼀⼈じゃない。⾳楽は不要不急??いや、⾳楽は⾄急必要だ!!とさえ僕は強く思ったのです。

だらだらと続く緊急事態宣⾔を脱し、すぐにでもこの状態に戻さないとライブ・ハウスもナイト・クラブも⼈の⼼も死んでしまう!!と僕の本⾳が脳裏に鳴り響きました。その⽇から、僕は静かに、そして、慎重に動き始めたのです。

⾮常事態宣⾔が解除されないままだけれど、⾳楽関係者の雇⽤を守るにはどうすればということも考えました。国のガイドラインを遵守し、感染症対策を⼗分に講じて、イベントを開催する・・・。そして、3ヶ⽉後の事態の好転を祈ってTCJFを復活させるという決断に踏み切りました。勿論、変異株による感染拡⼤で余談を許さない状況であることは理解しています。最悪のケース(中⽌)を考えつつ、今、動き出さないと開催可能な場合に告知や様々な⼿配に⼿遅れになります。今、動き出さないと、多分、今年は何も起こらないでしょう。

しかも、来年1⽉末に閉店を発表したageHaで、年内の週末で会場と僕の予定が合うのは11⽉20⽇のみ。TCJF最⾼の集客を記録したageHaであの興奮をもう⼀度!と夢⾒るのは僕だけではない筈。もう、TCJFをageHaでは出来なくなるのですから・・・。

この7年で⾳楽シーンは⼤きく変わりました。もしTCJF が存続していたなら出演オファーをかけていただろうアーティスト達が急成⻑を遂げ、⼤型フェスに出演するようになったのです。Kamasi Washington,The Internet,Tom Misch,Hiatus Kaiyote,The Roomに遊びに来てくれていたアーティスト達がグラミー賞を受賞しました。Thundercat,MonoNeon,Cory Henry(コーリー
は受賞してから遊びに来てくれたタイプだけれど)彼らの楽曲を僕は⾃分の番組”JAZZ ain’t Jazz”でずっとサポートして来ました。

番組内の名物企画、”架空の夏フェス”という回の放送に彼らを起⽤?したこともあるのです。そのJAZZ ain’t JAZZ も7年前に始まり、去年終わってしまいましたけれど・・・。
この7年でロンドンの若いミュージシャンが注⽬されるようにもなりました。Kamaal WilliamsにもJoe Armon-JonesにもAshley Henryにも会いました。Nubya GarciaやMoses Boydのライブも観ました。Shabaka HutchingsはThe Roomにも遊びに来てくれました。

どう考えても僕の⽬に狂いはなかったし、今こそジャズとクロスオーバー・ミュージックの祭典を再び⽴ち上げる時期であることは間違いないと思います。但し、そこには招聘の壁が⽴ちはだかります。今の⽇本に外国勢を呼ぶのは困難・・・。

この夏、NYで、ロンドンで、そしてクロアチアで⾏われた僕の知⼈や友⼈が参加するフェスの告知を⾒て僕はうなだれました。そして、⾊々な意味で取り残された気持ちになりました。海外ではもう旬のアーティストから⼤御所までが勢揃いしているのです。

そこで僕は考えました。それらのフェスに呼ばれてもおかしくない⽇本⼈アクトを集めれば世界が観たいと思えるフェスになるんじゃないかなと。招聘できないハンデを逆⼿に取って世界が羨むようなライン・アップを組めばいいんだと!

和ジャズのレジェンドから、僕の海外の友⼈達が熱望する⽇本⼈DJ までを網羅。第⼀回⽬から世界基準を謳って来たTCJFだからこそ、復活する今年は国内勢でそれをクリアしてみせる!という結論に⾄りました。勿論、この僕の野望はブッキングとしては実現すると思います。

そして、開催に向けて⾛り出しますが、当⽇まで乗り越えないといけないハードルはいくつもある事でしょう。繰り返しになりますが、⾏政から該当するイベントの中⽌要請が出た場合は、TCJFを中⽌します。会場が使えなくなった場合も中⽌する予定です。⼜、開催するにあたっては、最新の各種ガイドラインを遵守し、感染防⽌対策を徹底します。中⽌のリスクを視野に⼊れながらもとにかく今は開催を⽬指して動きます。感染拡⼤の沈静化を祈るだけでなく関係各位への働きかけ、また関係者やファンへの呼びかけも必要となるでしょう。

⾳楽を⽌めない、そして、⼈間らしい⽣活を守る為にも実⾏委員会と開催に向けて様々な努⼒に取り組みます。新⽊場ageHa でみなさんにお会い出来ることを楽しみにしています。

2021年8⽉20⽇ Tokyo Crossover/Jazz Festival 発起⼈ 沖野修也

Tokyo Crossover/Jazz Festival
日程:2021年11月20日(土)
会場:東京・新木場ageHa
公式サイト

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