今年は“特別なフジロック”「FUJI ROCK FESTIVAL’21」会場レポート&来場者スナップ

2021年8月20日(金)〜22日(日)の3日間にわたり、新潟県苗場スキーリゾートにて「FUJI ROCK FESTIVAL’21」(フジロック’21)が開催されました。

「フジロック」は日本最大規模の野外音楽イベントとして、毎年世界各国から200組以上のアーティストを招聘しており、日本が世界に誇る音楽フェスティバルとして、フェスファンだけでなく世界中のアーティストをも魅了してきました。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年の開催延期から1年を経て、今年はステージ規模の縮小、国内アーティストのみのラインナップ、場内での酒類の提供・持ち込みの禁止などのルール・マナーを追加し、“特別なフジロック”として2年ぶりに開催。

会場を苗場に移した1999年から「フジロック」をサポートしているポカリスエットもブースを出店。会場内で音楽を楽しむ来場者達の喉を潤しました。今回はポカリスエットとのコラボ企画として「フジロック‘21」の会場フォトレポート&来場者スナップをお届けします。(Text by Taichi Kuwabara)

“特別なフジロック”とは? 距離を保って快適に過ごした3日間


2021年春以降、いくつかのフェスが開催されてきましたが、夏にかけて、新型コロナウイルスの新規感染者が増加し、様々な声がある中での開催となった今年の「フジロック」。より厳格な感染症対策が必要となる中で、来場者に対して禁酒やマスク着用の義務、来場前の抗原検査の推奨、ステージの前方エリアでのディスタンスの確保や歓声の禁止などがアナウンスされ、さらに会場レイアウトも密集を避けるため大幅に変更、飲食エリアの分散や一部ステージの縮小などが行われました。

公式発表によると、3日間の合計来場者数が延べ35,449人という例年の3分の1から4分の1程度の人数だったということもあり、トイレや飲食ブースの混雑もほぼなく、他の来場者とも十分な距離をとりながら快適に過ごすことができました。そんな例年と少し様相の違う、“特別なフジロック”の様子をフォトレポートとしてお届けします。

フォトスポットとしても人気 「FUJI ROCK FESTIVAL’21」のゲート

国内アーティストのみでも”フジロックらしさ”は健在

今年は“特別なフジロック”として国内アーティストのみが出演するという異例の開催となりましたが、ラインナップをみると、ROOKIE A GO-GOからヘッドライナーに上り詰めたKing Gnuをはじめ、「フジロック」に縁のあるアーティストが多く出演し、他の国内フェスにはない、「フジロック」らしさを感じることができました。

また、お目当てのアーティストを見るだけでなく、思わず足をとめて新たな音楽に出会うことができるのも「フジロック」の魅力。会場内には9つのステージが設置され、密集を避けるために、例年以上にライブの時間が重なることも多く、ステージ前方はディスタンスの確保のために足元にマーカーが設置され、ライブ前には歓声の禁止などがアナウンスされるといった感染症対策の中でのライブ観賞となりました。会場を歩き回り、聴こえてくる音楽に身を委ねるという、2年前までは当たり前だったことの贅沢さを噛みしめながら、それぞれ参加者が“特別なフジロック”を楽しんでいる姿が印象的でした。

ソーシャルディスタンスをとるため設置されたマーカー

ステージ規模の縮小があるといえども、「フジロック」の顔でもあるGREEN STAGE、実力派が揃うWHITE STAGE、唯一の屋内ステージのRED MARQUEE、木々に囲まれた神秘的なFIELD OF HEAVENといった4つのメインステージは今年も健在。

GREEN STAGEでは菅田将暉のゲスト出演も話題となったRADWIMPS、WHITE STAGEではファン待望の再結成を果たし20年ぶりの「フジロック」出演となったNUMBER GIRLなど、日本を代表するアーティストが次々登場。RED MARQUEEでは、PUNPEEやBIMを擁するHIP HOPレーベルSUMMITが所属アーティスト総出で出演、他にもアメリカの名門インディーズレーベルSUB POPと契約したことも話題のCHAIなど、これからのフェスシーンを賑わす若手も多く揃いました。一方、FIELD OF HEAVENではROVO、坂本慎太郎、上原ひろみといったベテラン勢を中心に、ジャンルを問わず様々なアーティストが出演しステージを彩りました。

GREEN STAGE
WHITE STAGE

その他にも、Gypsy AvalonやPYRAMID GARDENといった、アコースティックライブ中心のステージではRADWIMPSの野田洋次郎による弾き語りやフジロックでしか実現しないその日限りのコラボステージも。例年、ゲストの飛び入り参加などフェスならではの醍醐味を楽しむことができる苗場食堂は少し広い場所に移設。今年はAAAMYYYのステージにサプライズゲストで、GREEN STAGEに出演したSIRUPが登場するなど観客を大いに沸かせました。新人アーティストの登竜門として知られるROOKIE A GO-GOステージは場外から遂に場内に移動。フジロック日本最長のゴンドラ・ドラゴンドラを登った先にあるDAY DREAMINGなど、それぞれ個性のある9ステージで3日間通して合計100組以上のアーティストがライブを繰り広げました。


いつもとは違う特別な形で開催され、例年のような自由な「フジロック」ではありませんでしたが、そんな中でも「フジロック」を成功させようと、アーティスト、スタッフ、来場者がルールを逸脱せずに楽しんでいる姿や、会場内にゴミがほとんど落ちておらず、より一層クリーンな会場になったことも印象的でした。

そして、3日目には次回のフジロック開催を知らせる看板も登場し、日程も発表されました。今年は特別な形式での開催となりましたが、2022年は25周年を迎えるということで、新型コロナウイルス感染症の収束とともに、いつもの「フジロック」が戻ってくることを願っています。

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ポカリスエットとフジロック、来場者スナップ

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