【Welcome Back! Clockenflap】5年ぶり開催の香港最大級フェス「クロッケンフラップ」レポート&12月の開催参加に役立つ情報まとめ

2023年3月3日(金)〜5日(日)に香港最大級の音楽フェス「Clockenflap」(クロッケンフラップ)が開催された。Festival Lifeでも定期的に現地取材を実施し、”日本からもっとも行きやすい海外フェス“として例年フィーチャーしてきたフェスだが、2019年から政情不安や新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、4年連続で開催できない状況が続いていた。そんなクロッケンフラップが2023年に5年ぶりにカムバックを果たした。

例年の秋開催ではなく、初の春開催となったが、アークティック・モンキーズ、ウータン・クラン、フェニックスといった欧米の大物がラインナップされ、チケットは早々にソールドアウト。日本からもmilet、CHAI、羊文学、MONOらが参加し、復活に華を添えた。5年ぶりの開催を待ちわびたファンの再会の場所であり、コロナ禍以降久々のインターナショナルな祭典ということで、祝祭感溢れる3日間となったクロッケンフラップの様子を写真とともに振り返っていきたい。

記事後半では、次回開催(来年ではなく今年の12月開催)に向けたチケット、アクセス、宿泊情報などをまとめたので、次回参加を検討している方はTIPSをまとめたので後編もチェック!

Text(FEST PART):Shotaro Tsuda
Text(LIVE PART):Yuya Eto
Top Photo:Official
協力:香港政府観光局

Clockenflap(クロッケンフラップ)とは?

クロッケンフラップの正式名称は、「Clockenflap Music & Arts Festival」で毎年秋に香港で開催される都市型フェス。その名の通り、音楽だけでなく、芸術を通してインスピレーションを与えることをテーマに、大規模な音楽ステージに加え、アートスペースや地元に根差したショップなども会場内に展開されている。音楽に関しては、ローカルとインターナショナルのアーティストをバランスよくブッキングし、国内外から100組以上のアーティストが揃い、過去には、ケミカル・ブラザーズ、マッシヴ・アタック、インターポール、リバティーンズ、The 1975といったアーティストが出演しているほか、SEKAI NO OWARI、LOVE PSYCHEDELICO、水曜日のカンパネラ、Suchmosらの日本人アーティストも出演している。

2008年にスタートし、香港のアーティストを中心としたフェスだったが、2010年代中盤からUKのアーティストを中心に、インターナショナルなラインナップが人気を博し、前回(2018年)は3日間で7万人以上が参加した。アジア最大級の規模を誇っており、アジアにおけるオールジャンルのインターナショナルフェスとしては、フジロックやサマーソニックに次ぐ規模と歴史のあるフェスである。

Festival Lifeでも「日本からもっとも行きやすい海外フェス」として度々紹介してきたが、実際に東京から香港国際空港は飛行機の直通便で5時間程度、空港から会場となるセントラル・ハーバーフロントまでも30〜40分程度と非常にアクセスしやすい。超都市型フェスであり、オフィス群をバックにした海沿いの会場で開催され、飲食、宿泊施設なども充実している。今回2023年の開催は5年ぶりとなり、さらに初の春開催となったが通常は11月末開催(次回は2023年12月上旬)で、香港は秋の行楽シーズン。気温も平均20度前後と日本よりも暖かく過ごしやすい。会場内でもっとも日本人を見かける海外フェスのひとつである。

香港行くなら今?!復活の幕開けとしてのクロッケンフラップ!

2019年から4年にわたり開催できていなかった「クロッケンフラップ」だったが、2022年11月に公式から「WE’RE BACK」というメッセージとともに2023年3月の開催が発表され、翌月にはアークティック・モンキーズ、フェニックス、FKJらの出演がアナウンスされ、チケットも早々にソールドアウトとなった。

ちなみに、今回のクロッケンフラップは、まさに香港のコロナ禍からの復活を告げる最高のタイミングでの開催となった。今回は初の春開催となり、3月3日(金)〜5日(日)に行われたわけだが、香港ではちょうど3月1日(水)に、2020年から続いていた外出時や公共施設内でのマスク着用義務が解除された。中国の新型ウイルス対策をほぼ踏襲した形での「ゼロコロナ」政策が行われており、マスク着用義務を守らなかった違反者に最高5,000香港ドル(約8万7,000円)が科されていたが、それがなくなって初の週末ということになった。ちょうど解除された日に入国したが、まだ街中ではマスクを着用している人も多かったものの、フェス会場でも「MASK OFF」というメッセージを目にすることもあり、徐々にコロナ禍前の日常生活に戻していこうとする雰囲気を感じるシーンもあった。また街中ではソールドアウトになっているのにもかかわらず、フェスのラインナップポスターやラッピングされたトラムが走っており、街をあげてクロッケンフラップを盛り上げようとする機運を感じることができた。

また、2023年2月から香港は、入境条件を全面緩和し、ワクチン接種なし(抗原検査もしくはPCR陰性証明のみ)で渡航可能になり、それと同タイミングで総数50万枚の香港への無料航空券などが用意されたHello Hong Kongキャンペーンがスタート。3月に開催される世界最大級のアートフェア「アートバーゼル香港」や7人制ラグビーの大会「香港セブンズ」の告知を街中で見かけたり、フェス会場に向かう前に訪れた西九龍文化地区(West Kowloon Cultural District)でも野外イベントが行われていたりと、国内のマスク解禁と旅行者受け入れを機に、再び世界に開かれた街としてリスタートした香港。今回は、その幕開けを飾ったクロッケンフラップの様子を写真とともに紹介していく。






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