【ライブレポート】KICK THE CAN CREW @ SWEET LOVE SHOWER 2017

今年に入って新曲「千%」を発表し、8月30日にいよいよ14年振りの復活アルバム『KICK』のリリースを控えるなど、本格的な復活イヤーを迎えて精力的な活動を続けているKICK THE CAN CREW。彼らが2日目のLAKESIDE STAGEに登場した。

ステージ上には中央に設置されたターンテーブルのみ。そこに「千%」のイントロが鳴ると、3人がステージに登場して大歓声が巻き起こり、サビの「経て/からの/ここ」で、時を経てふたたび動き出した彼らの今に焦点が当てられていく。続いて「地球ブルース〜337〜」では会場全体で手拍子を合わせ、MCUが「なんて言ってもいられねえ/来年で30です」を「来年で45!」に変えると観客も一層盛り上がる。終始3人がステージギリギリいっぱいまでせり出して煽る様子は、デビュー以来変わらない彼らの姿勢を伝えるようだ。

LITTLEが「SWEET LOVE SHOWER! いくぞ!」と煽って始まったのは「マルシェ」。サビ前を、「SWEET LOVE SHOWERへようこそ!」に変えて「上がってんの?/下がってんの?/みんなはっきり言っとけ!/(上がってる!)」とコール&レスポンスすると、ここで初めてMCを挟み、「KREVAです!」「MCUです!」「LITTLEです!」、「3人合わせて……KICK THE CAN CREWです!」とPerfumeを模して自己紹介。その後KREVAが「マイクリレーが難しすぎて成功率1%未満だけど、今日みたいな夏の思い出にぴったりの曲」と紹介し、リリース目前の最新作から「SummerSpot」を披露する。3人がステージ中央にぎゅっとかたまり、短い小節でマイクを繋ぐこの曲は、彼らの高いスキルを証明すると同時に夏らしいメロウネスも湛えていて、会場の日差しとともに最高の夏を連れてくる。

とはいえ、クライマックスはここから。マイクリレーを成功させ、「ドラクエやろう」と帰ろうとするKREVAとMUCをLITTLEが引き止めると、あのイントロが鳴り始める。そう、01年リリースの「イツナロウバ」だ。ここで会場全体から特大の歓声が生まれ、続けて鳴らされた新旧2つのサマー・アンセムの間に横たわる彼らの歴史に思いを馳せずにはいられない。終盤は「sayonara sayonara」を挟み、会場全体で手を振って一体になった「アンバランス」でラスト。新譜リリース目前という最高のタイミングで、ヒップホップ・シーンを越えて後続に大きな影響を与えた3人の「今」が全力で伝わるようなライブだった。

LIVE PHOTO





Text by 杉山仁
Photo by 岸田哲平

KICK THE CAN CREW @SWEET LOVE SHOWER 2017
8/26(Sat)15:55〜 @LAKESIDE STAGE

1. 千%
2. 地球ブルース~337~
3. マルシェ
4. SummerSpot
5. イツナロウバ
6. sayonara sayonara
7. アンバランス

SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2017

日程:2017年 8/25(金) – 27日(日)
場所:山梨 山中湖交流プラザきらら
公式サイト:https://www.sweetloveshower.com/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/spaceshower_sweetloveshower/

SWEET LOVE SHOWER 2017
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