フェス主催者インタビュー | hoshioto(岡山・井原市)

“最高の星空の下で最高の音楽を”をコンセプトに岡山県井原市で開催されている野外フェスティバル「hoshioto」。さらに「hoshioto」以外にも地元を中心に様々なフェスを運営する藤井裕士さんにインタビューを実施。

フェスを立ち上げた理由から、やり続けることの意義、そしてこれから新しくフェスを作りたいと思っている人へのメッセージまでを語ってもらった。

INTERVIEW:藤井裕士(hoshioto主催 )

hoshioto

-まずは自己紹介をお願いします。

「ONE MUSIC CAMP」の佐藤くんからの紹介されました、岡山県井原市青野町にある葡萄浪漫館で開催されている野外フェスティバル「hoshioto」(ホシオト)の代表・藤井裕士です。普段は地元でサラリーマンやりながら、バンドやったりイベントやったりなんやかんややっている人です。

-主催されている「hoshioto」とはどんなフェスなのか教えていただけますか?

「hoshioto」は2012年から開催しているインディペンデントの野外フェスティバルで、今年で7回目を迎えます。“最高の星空の下で最高の音楽を”をコンセプトに地元の音楽好きな仲間と共感してくれたボランティアスタッフと一緒にみんなそれぞれに仕事を持っている中でイチから手作りで作り上げています。

-開催のきっかけは何だったのですか?

2001年に初めてフジロックに行って衝撃を受けたんです。これを地元の音楽好きな人に味わってもらいたいと思って色んな人を誘ってみたんですけど苗場は遠いって人ばかりで断られてばかりで(笑)。それならフジロックみたいな野外フェスティバルを作ってしまえばいいと思ってずっと場所を探していたんです。

-一緒に行ってくれないなら、地元で作ってしまえと。

そうですね。そんなことを考えている間に、最初の会場となる美星町にある「星空感」というところで働いている知り合いがいて話をしたら、逆にそこでイベントをできる人を探していたみたいで、そこからトントン拍子で進んでいきました。

hoshioto

-藤井さん一人でスタートしたのですか?

地元の井原市でも古くから続いている野外イベントの手伝いを数年やっていたのですが、そこの同世代のスタッフを巻き込んで始めました。僕は学生時代、県外に住んでいたのですが、地元に帰ると本当に自然が凄い場所だなと思っていて。ちょうど「hoshioto」を開催する前くらいにテレビで美星町の星空が「日本で二番目に綺麗」という風に取り上げられてるのを観て”最高の星空の下で最高の音楽を”というコンセプトが浮かびました。

組織としては、地元の同世代の音楽仲間がメインスタッフとして10人くらいいて、あとは僕らの考えややっていることに共感して、手伝ってくれているボランティアスタッフと一緒に運営しています。毎年ボランティアスタッフは30人くらい集まってくれています。ボランティアスタッフと言っても僕も含めてみんなボランティアなんですよね。スタッフは入れ替わりもありますが、継続してくれている人も多いです。基本的にほとんどは僕が仕切ってブッキングをやって、予算を管理して、HPも作ってという感じです(笑)。

hoshioto

-全部やるって感じなんですね。運営していく上でこだわっていることってありますか?

一番こだわっているのは地元井原市で他では出来ない“面白いことをやる”ということかな。岡山と広島の県境にある小さな街でこんな面白いことをやっているっていうのが沢山の人に伝われば嬉しいかなと思ってます。それとマンネリ化も好きじゃないんで、新しい風を毎年入れていくようにとこだわっていますね。

-出演アーティストに関してはどうやって選んでいるのですか?

基本は僕を含めたスタッフが好きなアーティストに出演してもらうようにしています。と言っても9割は僕の趣味です(笑)。去年のヘッドライナー中村一義さんなんて、完全に僕の趣味というか世界で一番好きなアーティストを呼びました(笑)。

-藤井さんの音楽遍歴を知りたいです。

僕自身は大学時代にCDショップでバイトしていて、そこで音楽を幅広く知りました。ちょうどミリオンセラーとか沢山出ていたときで、音楽に関してバブル期みたいなときでしたね。洋楽・邦楽問わず幅広く聴いていました。特に好きだったのは邦楽だとギターロックで、洋楽だとUKロックでしたね。でもCDショップにいたので、それ以外にも本当にジャンルに関係なく幅広く聴いてました。

-そのときの経験が今のブッキングに影響していますか?

もちろん今もそのときに聴いていた音楽が自分の中にはベースとしてあってブッキングに反映されているのですが、新しい音楽も受け入れて“今”だったり“未来”だったり“過去”だったり、色々なストーリーを持っているブッキングをしているつもりです。単純に言うと「今この場所で観ておきたいかどうか?」っていうのがキーワードになっているんじゃないかなと思います。いずれは海外のアーティストも呼びたいですね。

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