フェスな人 010 | 「ULTRA JAPAN」クリエイティヴ・ディレクター小橋賢児が次に手がける未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND」とは?

未来型花火エンターテインメント「STAR ISLAND」とは

-今月末には「STAR ISLAND」が開催されますが、これはどういう経緯ではじまったんですか?

実は「ULTRA JAPAN」の初年度の出来事が大きく関係しているんです。嬉しいことに1年目なのにも関わらず、すごく盛り上がったんですが、自分の中では「花火が足りない」と感じたんです。ステージ上に特殊効果用の花火はあったんですが、もっと大きな、イベントの最後に打ち上げる花火が欲しいと思ったんです。イベントのエンディングの花火ってみんなをひとつにするような効果があるじゃないですか。でも会場はコンクリートの駐車場なので一度は無理だと却下されたんです。

-そんなことがあったんですね。

でもそれからいろいろ調べてみるとお台場で花火を上げている花火師のチームがいることがわかって、色んなところと交渉を重ねた結果、2年目にはステージ上から花火を打ち上げることができたんです。そんな中で、花火師さんと打ち解けて色んな話ができたんです。本番で、何人かの花火師さんはステージ上から大歓声の中で花火を上げてくれたのですが、そこで新しい花火の可能性を感じてくれたみたいなんです。僕も、伝統的な花火をリスペクトしながら、新しい感覚のイベントをできないかなと漠然と考えていたので、終わったあとにまた何かできないかという話になって。

-これまでにそういったイベントってあったのですか?

どうやら2012年にお台場の砂浜で「東京ミュージック花火」というのをやっていたみたいですが、その後はそういったイベントをできていなかったそうで。それを聞いて、「ぜひやりましょう」ということになって。

-それが今回の「STAR ISLAND」に繋がったんですね。

とはいえ簡単に許可は下りないし、スポンサーも、具体的にどこでやるかも、何も決まっていない状態だったんですけど(笑)。とにかく何かやりたいというワクワクだけが先行したんですよね。そうこうしているうちに企画が進んで、実現に向けて動き出したという感じです。

-今回の「STAR ISLAND」はどういったイベントになるのでしょうか?

花火を上げて、ただダンスミュージックを流すというイベントは違うとはじめから思っていたんです。閉じていた感覚が開くようなものにしたくて。人間本来の持つ直感力とか、人生の素晴らしさみたいなものを感じるには、恋や旅もそうですが、エンターテインメントが特効薬だと思うんですよね。そういった感覚を開く装置として、最初はバーチャルリアリティ(VR)に可能性を感じていたんですが、やっているなかで何か物足りなさを感じてしまって。結局これは現実世界には及ばないなと思ったんです。

-どんなところに物足りなさを感じたのですか?

考えてみると、音が平面的に聞こえることが原因だと思うんですよね。そこで、友達で3Dサウンドアーティストをやっているカツくん(katsuyuki seto)のスタジオに行ってみたんです。部屋を真っ暗にして3Dサウンドを聞かせてもらったら、聴覚しか働かせていないはずなのに、頭のなかに映像が見えて。涙が出るくらい感動しましたね。彼が言うには、3Dサウンドは音を使って見えないものを見せることができる技術で、自分の感覚で視覚を創造するんだと。それからは彼のスタジオに通いつめましたね。そんなときに「STAR ISLAND」の会場を使う許可がおりて、カツくんの3Dサウンドを取り入れることになったんです。

「伝統あるものを革新していくことで、ヴィンテージに価値が生まれる」

-「STAR ISLAND」には”未来型花火エンターテインメント”というキャッチコピーがついていますが、「未来型の花火」という言葉にはどのような思いがこめられているのでしょうか?

“伝統は守るもの”と思われがちですが、その伝統を生み出した昔の人たちは改良や創作に力を注いでいたはずです。花火も同じように、現代の才能やクリエイションでイノベーションを起こしていきたいと考えています。そうやって伝統あるものを革新して、今の時代に新しいファンができると、昔のオリジナルのものが”ヴィンテージ”として価値あるものになる。だから、本質的には革新を行うことは伝統を守ることだと思うんです。そのために新しい才能と伝統あるものを繋ぐことが重要なんじゃないかと。

-「THE MOST ADVANCED “HANABI” ENTERTAINMENT」というコピーなど、”花火”という日本語にこだわっていたところも印象的でした。

昔から日本は海外のものを柔軟に取り入れてきましたよね。そういったところから、音楽文化やフェス文化も発展していくんだと思います。最初はぐちゃぐちゃしたように見えるかもしれませんが、10年経ったときに「あのイベントがあったから、今こういう文化があるんだよね」というようなことになっていくはずです。その入り口を作りたいと思って2014年から「ULTRA JAPAN」をやってきましたが、今度は日本のいいものを世界レベルにして、世界に発信していきたいと思ったんです。そのタイミングで花火という素晴らしい伝統文化に出会えたことが今回の「STAR ISLAND」につながりました。

-「STAR ISLAND」は音楽や様々なパフォーマンス、そして花火と盛りだくさんの内容ですが、どんなお客さんに見て欲しいですか?

何にも考えずに、ふらっと来てみてもらいたいです。「花火やってるみたいだから行こうか」くらいの感じで来てもらって、フラットな状態で体感してもらう。そっちのほうがのめり込んで、ハマってもらえるんじゃないかと思います。

-最後に何か一言メッセージを。

東京の摩天楼がきれいに見えてサンセットも楽しめるお台場は、世界に誇れるロケーションです。あそこで花火が上がるということだけで、素晴らしいことだと思います。「STAR ISLAND」は今回が初開催なので、どういうイベントなのか想像しづらいかもしれませんが、あとでSNSで「すごかったらしい」と知るよりも、ぜひお台場に来て体感してもらえたらと思います。

Interview / Text by Festival Life編集部
Photo by Etoo

STAR ISLAND

日程:2017年 5/27(土)
場所:東京 お台場海浜公園内
公式サイト:http://www.star-island.jp/
チケット:http://www.star-island.jp/#ticket
※2017年5月19日現在、「STAR SEAT:1名 8,000円」販売中

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