FM802 DJ竹内琢也が気になる人にインタビュー vol.01 | DAWA(FLAKE RECORDS)

フェスな人にも登場してくれたFM802のDJ竹内琢也が音楽業界の気になる人にインタビューをする「BEAT EXPO 10-minutes GRAVITY」の内容をFestival Lifeで紹介する新シリーズがスタート!第1回目に登場してくれるのは、大阪の人気レコードショップFLAKE RECORDS代表のDAWAさん。自身が経営するFLAKE RECORDSや今後の音楽シーンについて語ってもらいました。(interview 2017.1.10)

Festival Life × FM802 BEAT EXPO 10-minutes GRAVITY
vol.01 DAWA(FLAKE RECORDS) interview by 竹内琢也

-まずはFLAKE RECORDSの話から聞かせてもらいたいのですが、現在レコードとCDの売り上げの割合はどうなってますか?

レコードが7割、CDが3割くらいですね。それに加えてアーティストのグッズという感じです。

-日本のアーティストと海外のアーティストの割合はどれぐらいですか?

CDとアナログを合わせて、日本が1割、海外のアーティストが9割です。ただ、そのバランスはこの1、2年で少し変わってきています。日本のアーティストのアナログのリリースが増えたので、その分少し日本のアーティストが増えてきていますね。

-日本のアーティストのアナログが増えてきたのは、いつぐらいからですか?

ここ2年ですね。今までは日本のメジャーのアーティストもインディーアーティストもレコードをあまりリリースしていなかったんです。ただ最近のレコードブームによってレコードのリリースが増えています。

-やはりDAWAさんにとってレコードが増えているというのは嬉しいことですか?

嬉しいですね。色んなものがレコードで出るというのは単純に面白いと思います。けど、ちょっと最近は出過ぎかなとも思います。

-というのは?

結局レコードを買う人が増えたといっても、届き切らなくて、余っちゃうんですよね。やっぱりどれだけ音楽が好きでも1ヶ月の予算がありますし、欲しいものがいっぱい出てきても全部買うことはできないんです。お店をやっている側の人間としてはそういう印象がありますね。

-それでは次にCD・レコードの並べ方・見せ方について教えてもらってもいいですか?

よく来る人がだんだん気づいてくれるのんですが、入り口の方がロック色が強くて、奥に行くとクラブ色が強くなってきます。明確な線引きはないんですけれど、なんとなくそんな感じにしています。通ってもらうと面白くなってくると思います。

-探してもらいたい、というのもありますか?

目的のものを買いに来て、それを買って帰るだけだと、ネットショップと一緒だと思うんです。僕らが同じやり方でやると勝てないんです。見に来て欲しいものを探す、そしてその横のジャケットもいい感じだと手にとる、そういう風になればいいなぁと。結果が出ているかはわからないですけど、そういう並べ方は意識しています。ABC順に並べてても面白くないかなとは思います。

-なるほど。少し話は変わりますが、海外アーティストの割合の方が多いとおっしゃってました。海外のアーティストの盤をおいていこうという思いは強いですか?

そうですね。もちろん日本のバンドも本当に面白いんですけど、新しい音楽が出てくるのは海外の方が多いのかなと思います。スピードもそうですし、ジャンルもそうですし。何年かごとに変わるムードがあります。例えば00年代にStrokesが出てきましたが、あんなスカスカのサウンドがかっこいいと提示したのは日本のバンドではないですよね。そしてそれに追随する様に世界中にそんなバンドが出てくるという様なことが起こったり。そういうのが面白いです。

Justiceが出てきた後やDaft Punkが出てきた後もそうですし。ここ何年かだとJames Blakeの後に、ああいうクラブサウンドを経た音の少ないものが増えてきたり。やっぱりシーンのリードをする音は海外から出てくるなと思うんです。「これはなんで評価をされてるんだろう、分からない。なので一生懸命聞く。」というような”耳を鍛える行為”は重要だと思います。パッと聴いてキャッチーじゃないからもう聴かないというのは残念な気がしますね。何度か聞いていると耳が成長するので、聞けば聞くほど色んなものが好きになるし、面白くなると思います。

-最近はどんなシーンが面白いですか?

最近は、お店では”いわゆるインディー”が多いんですけど、最近ではソウルっぽいものファンクっぽいものを取り入れたバンドが多く出てきていて、それが音楽ファンに響いてますし、サウンドとしても面白いですね。ギターロックは少し減ってきている感じはします。でも今ソウルっぽいものを取り入れている人でも、もともとギターロックをやっていた人も多いんですよ。海外ではそれが嗅覚として受け入れられますが、日本では「前と違う」って言われちゃったりするんですよね。

-ラジオでPOP最前線という感じで曲をかけてますが、最近ではZaynがTaylor Swiftとコラボして凄くアダルトなムードの曲をリリースしていて、テンポも全体的に遅くなってきている気がします。

海外ではポップスターと言われる人たちの嗅覚も凄くて、Taylor Swiftも恐らく次のアルバムはテンポダウンするでしょうし、R&B色も強くなりそうですよね。アーティストがいい意味で”ブレまくる”というのが面白いですね。

-これからどんなサウンドが増えてくると思いますか?

どうなんでしょうね(笑) でも色々変わっていくと思います。昔だったらバンドでギター鳴ってない音楽はかっこ悪いみたいなムードがありましたけど、今はシンセだけでグルーヴィーなことをやった方がかっこいいというのもありますし。日本でもSuchmosが出てきて少し変わってる気はしますね。四つ打ちのギターロックを好きだった人が”揺れる”サウンドにいってたりとか。常に色々変わっていくので、頭やわらかく聞いてる方がいいかなと思います。

インタビュー後記 by竹内琢也

今年はフジロックやサマーソニックのみならず、「THE STAR FESTIVAL」にDJ SHADOWやclap!clap!が出たり、「GREENROOM FESTIVAL」にJake buggが出たりと、多くのフェスに海外アーティストの出演がアナウンスされているので、その予習にFLAKE RECORDSに足を運んでみてください。また先日のレコードストアデイではYogee New Waves、predawn、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのGOTCHを迎えたライブイベントを開催するなど、イベントもたくさん行われているので、フェスの予習に、新しい音に出会いに、そして生で音を楽しみに、FLAKE RECORDSを色んなスタイルで楽しんで欲しいです。

interview&Text by 竹内琢也
DATE:2017.1.10

>>FLAKE RECORDS:http://www.flakerecords.com/
>>FM802: https://funky802.com
>>BEAT EXPO : https://funky802.com/expo/

▶︎竹内琢也
20歳の時にワールドミュージックを紹介する番組でキャリアをスタート。現在はFM802 Monday&Tuesday 19:00~21:00「BEAT EXPO」、Thursday&Friday 5:00~7:00「DASH FIVE!」を担当。選曲、構成、ミキシングを手がけるアメリカンスタイルでもオンエアをしている。BECK、NORAH JONES、CLEAN BANDIT、ALABAMA SHAKES、OWL CITYなど海外アーティストへのインタビューも多数。
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