【FUJI ROCK FESTIVAL’18】ヘブンのトリを務めた全米屈指のライヴ・バンド、グリーンスカイ・ブルーグラス独占インタビュー

ホンモノの楽器による、ホンモノの音楽


―個性的なアーティストが多数出演するフェスで演奏するとき、自分たちの存在をアピールするために意識していることや工夫していることは何かありますか?

ポール: いい質問だね。

アンダース: そもそも俺たちは楽器の編成がユニークだからね。バンジョー、マンドリン、ドブロ、アコギ、アップライトベースという編成は、フジロックでもなかなか見られないものだと思うよ。だから、奇を衒うようなことはせず、ただ自分たちらしくいれば、一番いいんだと思う。もちろん、ダイナミックなライティングは、俺たちのライヴの見どころではあるけどね。みんなが俺たちの演奏に惹きつけられるのは、音楽そのものがエキサイティングだからだと思う。ホンモノの楽器による、ホンモノの音楽なんだ。俺たちはコンピュータは使っていない。それがベストだと思う。

ポール: その意味では、アンダースが書くエモーショナルな曲が一番のキモだよね。それとさ、アコースティックの楽器を使っているけど、サウンドはエレクトリックってところで、ロックンロールのエネルギーが感じられるっていうのも大きいんじゃないかな。俺たちのことをブルーグラスだと思っていた人たちは、俺たちが持っているロックンロールのエネルギーに必ずと言っていいほど、度肝を抜かれるんだ。

―エレクトリック? ライヴではエレクトリック・ギターも使うってことですか?

アンダース: いや、使うのは全員、アコースティック楽器だけなんだけど、演奏は大音量でサイケデリックなんだ。

ポール: エフェクターを使ったりしてね。

アンダース: 表現として、エレクトリックになるってことさ。

―なるほど! ところで、みなさんのバックボーンになっているブルーグラスは、日本ではポピュラー・ミュージックとして、それほど馴染みがあるものではないのですが、みなさんにとってブルーグラスの魅力ってどんなところなんでしょうか?

アンダース: 何と言ってもソロやインプロに、すべての楽器が参加できるところだな。ロックの場合、大抵ギター・ソロでおしまいだろ? いろいろな楽器がインプロを繰り広げられるって意味ではジャズっぽいところもある。ブルーグラスはミュージシャンのための音楽と言うか、全員でジャム・セッションができる音楽なんだよ。

ポール: でも、日本の人たちに一つ言っておきたいんだけど、だからって俺たちはトラディショナルなブルーグラスをやっているわけではないんだ。俺たちはゲートウェイ・ドラッグみたいなものなんだよ(笑)。

―グリーンスカイ・ブルーグラスのファンは、どんな人たちが多いですか?

ポール: 美女たちさ!(笑)

アンダース: 老若男女、幅広いよ。パーティー・アニマルもいるし、ヒッピーもいるし。

―その中で一番好きなのは、美女たちだと?(笑)

アンダース: もちろん!いやいや、俺たちはすべてのファンを愛しているよ。

―16年に6枚目のアルバム『Shouted, Written Down & Quoted』を、ロス・ロボスのスティーヴ・バーリンのプロデュースでリリースしましたが、そろそろ新しいアルバムの予定もあるんじゃないでしょうか?

アンダース: 実は、ちょうど作り上げたところなんだ。たぶん6ヶ月か、8ヶ月のうちにリリースできると思うんだけど。

ポール: これは君だけに明かす新しい情報だよ。

アンダース: もしかしたら今回、新作から1曲ぐらいやるかもね。

―新しいアルバムは、どんな作品になっていますか?

アンダース: 素晴らしい作品になってるといいな(笑)。

ポール: 曲がいいことは言うまでもない。よく前のアルバムと比べて、どっちがいい?って聞かれるんだけど、全然違う時期の自分たちを表現したものだから、比べようがない。特に今度のアルバムは、歌詞がこれまでとは違うものになっているんだ。

アンダース: 楽しみにしていてほしいね!

Text by Tomoo Yamaguchi
Photo by Masanori Naruse

FUJI ROCK FESTIVAL’18

Shouted, Written Down & Quoted
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