ビバラ!オンライン開催直前 鹿野淳氏インタビュー(FJPodcast 7月26日配信回)

フェスに特化したポッドキャスト番組『Festival Junkie Podcast』(MC:津田昌太朗)の7月26日配信回では、ゲストに鹿野淳氏(VIVA LA ROCKプロデューサー)が登場し、今週末開催される「ビバラ!オンライン2020」について語った。

オンラインをやりたいんではなくて、ロックフェスをやりたい

津田:「ビバラ!オンライン」が今週末開催されますが、現在出ている情報だと、屋内2ステージで生配信、ほかにもトークセッション、ステージ以外のコンテンツなども発表されています。

鹿野:ライブに関しては全部生です。収録をするものはゼロです。収録をすると「フェスをしようよ」っていうことになると、ちょっと変わってくるのかなと。ただひとつ「VIVA LA J-ROCK ANTHEMS」という亀田誠治さんが率いる、このフェスだけで1年で1回だけ生まれるバンドがあって、今年選曲まで決まっていたけどリハーサルができなかった。この状況でそれをやるのは難しかった。でもバンドメンバーは何かしらビバラロックの2020年に参加したいと言ってくださって、じゃあみんなで集まって、それぞれが今までの5年間の名演の中で一曲聴かせたいとしたらというトークをしながら、その曲が流れます。あとは全部生ライブです。

津田:現在のオンラインフェスって生と収録に組み合わせも多いと思うんですが、鹿野さんの生のこだわりってどういうところから来てるのですか?

鹿野:レディ・ガガが主催したフェス(One World:Together at Home)を観ているときにこれはTV番組だなと。

津田:あれは生ではなかったですもんね。

鹿野:それは別に良い悪いではなくて、テレビ番組はテレビ番組で。このオンラインのライブって番組的な要素が強い。そうなんですが、我々はオンラインをやりたいんではなくて、ロックフェスをやりたいだけなんですよ。ロックフェスをやれるのがこの手段しかないから選択したっていうことで、いちいちオンラインで何をするかを考えたくない。ロックフェスをするために、何をするかという風に考えると、ここの場所でインプロビゼーションが起こる、ここの場所でしか思えなかった言葉が出てくる。これはめっちゃくちゃアーティストの方に負荷をかけてます。

津田:そうですよね。

鹿野:当たり前なんですけど、ワンマンのオンラインフェスって1日かけて、その場所を作っている。オンラインでライブって最近毎日観れるものになったかもしれないけど、アーティストはこの何ヶ月の中で選択せざるをえないスタイルで、もっと言うと、たとえばZEPP TOKYOでライブをやるときはZEPP TOKYOの音の鳴り方を考えて、PAの人たちとアーティストが音を出していたのを我々は浴びていた。ツールを使って音が出るということになると、どっちかというとライブより録音に近い。こういうことを考えていくとアーティストは未体験なことをやっていくわけで。

津田:お客さんにどういう音で届いているのか、まだ100%分かってないかもしれない。

鹿野:それをさらにこのフェスのタイム感の中で、転換20分で仕上げていくのは負荷がかかっている。今年出てくださった方には恩返しを具体的にしないといけないと思っています。逆にいうと、これだけの素晴らしいアーティストが30組出てくれるのって、急にオンラインフェスをやろうとしてもできなかったんじゃないかなと。このフェスのスタッフの誰かがすごいのではなくて、6年間続いてきたものがあって、そこで何が起こったのか、何をやってきたのかということが、最終的にこれだけのアーティストが集まって、覚悟を決めて、生でライブをやってくれることにつながっているのかなと。

津田:アーティストにとってはリスクもありますもんね。

鹿野:これは相当熱いものが、その時点であるんじゃないかなと。

津田:フェスとアーティストの関係がこういうところで表出するのかなと。6年積み重ねてきたものが出るかもしれないし、たとえば「VIVA LA J-ROCK ANTHEMS」なんてこれまでやってなかったらできなかったことですし。

鹿野:それと、幕間、要するにライブとライブの間に20分の時間があるんですけど、まずはアーティストのライブが終わった後に何組か話してもらう、さらにアーティスト同士の対談も行われることになっています。

津田:それも生ですか?

鹿野:生です。あとは実はビバラ号というクルマが走るんです。こういうご時世ですから、県や都をまたいではいけない。3日間のうちの1日千葉、1日は東京、1日は埼玉の中を走ります。今年ビバラロックでビールを作ったんですけど、それを飲みたい人をSNSで集って、やりとりをしてその方の家にビールを持って行って。

津田:持っていくんですか?みんなが行くんじゃなくて?

鹿野:ウーバー・ビバです(笑)ちょっと語呂が悪いですけど。

津田:ビーバー・イーツみたいな?(笑)

鹿野:そうそう(笑)。このビールを持って行ってみんなに楽しんでいただく。これもひとつのビバラロックの心臓ですから。これも幕間で中継で、「ビバラ号どこにいるの〜?」みたいなことをやれたらと…[続]

番組内で語られたトピック

04:00 フェスはカタログ
05:30 VIVA LA ROCK延期かオンライン開催までの流れ
08:00 中止にするのか、延期にするのか
10:00 東京五輪の中止を受けて
12:00 楽曲優先の時代へ
16:00 ライブをやれない波に逆らう
20:00 3度目の正直としてのビバラ!オンライン
21:00 「フェスをしようよ」
23:00 具体的なオンラインフェスの内容
25:00 オンラインをやりたいんではなくて、ロックフェスをやりたいだけ
30:00 オンラインフェス当日はビバラ号が走ります
32:00 感染症対策について
38:00 VIVA LA ROCKは疲れないフェス
40:00 5G、VR、FR、ビバラ・スコット?
43:00 2021年もオンラインフェス をやる?
44:00 オンラインフェスのブッキングについて、断られる理由は?
46:00 オンラインフェスはアーティストにとって良いカタログになれてない?
50:00 ビバラと地元(埼玉)の関係

【番組情報】
番組名:Festival Junkie Podcast
配信日時:毎週土曜配信
Spotifyページ

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