音楽×デジタルアートの祭典「MUTEK.JP 2019」会場レポート&来場者スナップ

カナダ・モントリオールで20周年を迎えた「MUTEK」の熱気をそのままに、日本で4回目となる「MUTEK.JP」が2019年12月11日(水)〜15日(日)まで、計5日間にわたって開催された。デジタルアートの可能性を探求する日本と世界のアーティストが多数集結し、独創的で革新的なオーディオビジュアルライブが繰り広げられた。

前年までは東京・お台場 日本科学未来館を中心として開催されていた「MUTEK.JP」だが、今年は渋谷へ会場を移動。新しく生まれ変わった2,000人規模の次世代のエンターテインメントホールLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)、ヒカリエホール、渋谷ストリームホール、恵比寿LIQUIDROOMなど、複数会場で開催された。

新しい技術と最新テクノロジーを駆使したオーディオビジュアルライブ、カンファレンス、ワークショップ、エキシビジョンなど、革新的なプログラムが展開された「MUTEK.JP 2019」内のプログラム「Nocturne」と「A/Visions」の様子を写真とともにレポート。後半は来場者スナップをお届け。

渋谷開催で生まれ変わった「MUTEK.JP 2019」

今回で4回目の開催となった「MUTEK.JP 2019」は、2016年に「MUTEK.JP」が始まった東京・渋谷に戻ってきたことで、どこからもアクセスしやすい環境となり、誰もがふらっと立ち寄れる”場”として、「MUTEK.JP」が謳う「オープンでクリエイティブな遊び場を全ての人へ」という言葉にさらに一歩近づいたような印象を受けた。

Nocturne@渋谷ストリーム ホール

初日の「Nocturne」では、真鍋大度が京都大学/ATR(国際電気通信基礎技術研究所)の神谷之康研究室と共同制作したアートプロジェクト「dissonant imaginary」が披露された。

「dissonant imaginary」は、音を聴くことで変化する視覚野・連合野の脳活動データを用いて画像を再構成する様子を可視化したオーディオビジュアルインスタレーション。視覚イメージとして脳内に思い描いたものを、脳活動から解析して映像として出力され、一つ一つの映像を見ると全く違うもののように見えるが、集合体として見るとどこか一貫性を感じさせられる、不思議な作品となっていた。

また2人のカナダ人アーティスト Push 1 stop & Wiklowは、三次元内で様々な大きな形がパフォーマーの間を舞う、インスタレーション・アートとオーディオビジュアル・パフォーマンスを融合した作品「Membrane」を公開。確かに目の前の空間に存在している中で、生きているかのように次々と姿を変えていく形はとても美しく、集まった観客を驚かせていた。

A/Visions@LINE CUBE SHIBUYA

A/Visionsは、会場を移し、今年10月に新しく生まれ変わった2,000人規模の次世代のエンターテインメントホールLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて行われた。

オーストリアのアートフェス「アルスエレクトロニカ」で、Digital Musics & Sound Art部門ゴールデン・ニカを受賞した黒川良一が「subassemblies」を日本初披露。レーザースキャンによって取り込まれた人工建築物、遺跡、自然などの3Dデータを再構築した美しい映像と、頭に響くほどの重低音が鳴り響いた。

また「Rhizomatiks Research」と、演出振付家MIKIKO率いるダンスカンパニー「ELEVENPLAY」は、2018年に発表したダンスパフォーマンス作品 「discrete figures」を披露。ステージ上に存在しない架空のダンサーが映像に登場し、ステージ上のダンサーと息のあった踊りを見せる場面は、ステージ上では架空のダンサーは存在せず未完成のダンスとなっていることから、どちらが現実なのか、境界がわからなくなるような感覚だった。

そして、コンポーザー、アーティスト、ソフトウェア開発者であり、別名Monolakeとしても知られるRobert Henkeは、時間軸と空間の概念を覆すリアムタイムのレーザー光線と、パーカッシヴなオーディオで観客を意識的な瞑想状態にかけるレーザーインスタレーションライブ「Lumière Ⅲ」を披露。音に合わせてレーザー光線が様々な速度で動き、形を作っていく作品で観客を魅了した。

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