福島で初開催の音楽フェス「LIVE AZUMA 2022」参加者スナップ&会場フォトレポート

LIVE AZUMA 2022レポート

「LIVE AZUMA」は福島テレビ、福島県出身者で結成されたクリエイティブチームのフライング・ベコ、「サマーソニック」を手掛けるクリエイティブマンプロダクションの3社が主催となり、新しく生まれた音楽フェス。今年からは「LIVE AZUMA」名義での開催となったが、事前の主催者インタビューでも語られていたように、無料エリアのマーケットは「PARK LIFE」という名前で開催され、2021年に同会場で開催された「PARK LIFE」ともつながっており、これから福島に定着することを目指しての初開催となった。その模様を写真とともに振り返っていく。

LIVE AZUMA主催者インタビュー「福島に愛されるフェスを目指して」

遊んで、食べて、しっかり休める充実の会場

福島駅からシャトルバスにのること20分弱、地元民ならスポーツ観戦などで慣れ親しんだ場所、あづま総合運動公園が「LIVE AZUMA」の会場だ。ステージは、野球スタジアムをつかったAZUMAステージとすり鉢状の作りが特徴的なPARKステージの2つ。その間にAZUMA食堂、球場前飲食街、東北市場酒場NORTH、東北市場酒場SOUTHという4つの飲食マーケットエリアが設置され、2ステージ以外はフリーエリアとなっており、チケットを持っていなくても参加できる。フリーエリアにもDJブースが設置され、DJ Mitsu the Beats、川辺ヒロシ、クボタタケシらが出演するという何とも太っ腹なフェス。ソールドアウトとなった2日目には「チケットを買えなかったからフリーエリアに遊びにきた」という人も取材中に多く出会った。

会場全体としては総合運動公園というだけあってかなり広い敷地だが、フェス会場として使われてる範囲はコンパクトにまとまっており、各エリアの行き来もしやすい。今回は1日1万人前後の来場があったとのことだが、道が広いので移動にストレスがなく、さらに休める場所が多いのも嬉しいポイントだった。

フェスにおいて楽しめるエリアが充実するのはもちろん重要だが、同じくらい休めるエリアがあるのはフェスを楽しみ切るために大事な要素。ステージにおいてもAZUMAステージは地面が人工芝となっており、後方は座りながらライブを見ることができ、PARKステージも後方はすり鉢状の段差に腰掛けながら見ることができる。他にもピクニック広場では、宿泊は出来ないがシートやテントの設置も可能で、そこを拠点に1日を過ごすグループも多く見られた。こういった場所があるだけで体力のコントロールもしやすく、昨年の開催を経てこの環境を理解したチームの経験が十分に生かされたからこそのクオリティだろう。

そして本フェスの最大の特徴でもあるが、会場に着いて驚くのはなんといっても出店の多さ。約80近くの店舗・ブースがあり、フード関連が特に充実している。フードを強く押し出すフェスは多いが、地元の飲食店や福島の名産を使ったスイーツ、地酒など特産品の販売など、フードフェス顔負けの出店ラインナップで、正直どこで食事を取るか毎回悩むレベルだった。なかでも取材班がリピートしたのはラーメン女子・森本聡子さんがプロデュースしたラーメンブース。専門家の目利きで選ばれた店舗ラインナップもさることながら、お店で食べるのと遜色ないクオリティの熱々のラーメンは、なかなかフェスでは味わうことのできない代物だろう。

そんな充実のマーケット同様、初回のフェスとは思えない豪華なラインナップが集結。初日ヘッドライナーにストレイテナー、2日目にユニコーン、その他にもウルフルズにDragon Ash、スチャダラパーなど音楽シーンを牽引してきたベテランアーティストに加え、Homecomings、yama、Saucy Dog、DYGL、JUBEE、VaVa、OMSBなどジャンルレスに若い世代のアーティストもラインナップされた。

また、その日限りのアーティスト同士のコラボはフェスの醍醐味だが、今回も東京スカパラダイスオーケストラのステージに奥田民生が出演、ストレイテナーにはアンコールでDragon AshのKjが登場するなど嬉しいサプライズが続出。その中でも注目だったのはラッパーのJUBEE。PARKステージにもフィーチャリングとして多く登場したほか、かねてから彼がリスペクトしているというDragon Ashのステージに次世代のヒーローと紹介されて登場。1万人の観客の前で堂々と「Fantasista」を披露し観客のハートをガッチリ掴んでみせ、今後の活躍の期待を感じさせる一幕だった。

遊んで食べてしっかり休める、これがバランスよく成立する野外フェスは案外少なく、それを初開催で実現していた「LIVE AZUMA」の来場者の満足度は非常に高かったように思う。ファッションスナップを実施していても「福島でこのような規模のフェスを開催してくれて嬉しい」「来年誰が出るか分からないけどとりあえず早めにチケットを買う」という声が多く、すでに気分は来年へ!まだ開催日程などの発表はないが、来年もこの気持ち良い空間を十分に生かし、さらにパワーアップしして、福島の新しいフェスの歴史を作ってくれるはずだ。

会場PHOTO

Text/会場Photo:江藤勇也
Live Photo:Official提供
Edit:津田昌太朗

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