【ライブレポート】エレファントカシマシ @ SWEET LOVE SHOWER 2017

「SWEET LOVE SHOWER 2017」1日目のヘッドライナーとして登場したのは、日本ロック界の至宝・エレファントカシマシ。今年デビュー30周年を迎えた彼らは、3月にキャリア初のオールタイム・ベスト・アルバムを発表。30周年記念シングルとして新曲「風と共に」をリリースし、「SWEET LOVE SHOWER 2017」にやってきた。開口一番、宮本浩次が「エブリバディ!」と観客を煽ると、ライブは「悲しみの果て」でスタート。続いて「20年前のヒット曲です。夏の歌なんで聴いてください」と「今宵の月のように」がはじまると、会場全体に大歓声が巻き起こる。会場では当時をリアルタイムで知らない観客も歓声を送っていて、その楽曲の普遍的な魅力を改めて感じた瞬間だった。続いて彼らのデビュー曲「デーデ」が演奏されるなど、ライブは序盤からバンドの歴史に思いを馳せるような展開。ところが一転、新曲「風と共に」が披露されると、「ああ行き先は自由/胸には勇気を抱きしめて/行こう」と歌われる楽曲を通して、彼らの過去と今とが一気に繋がっていく。

中盤は「風に吹かれて」を大切に歌い上げ、一転「RAINBOW」ではメンバーが演奏する図太いギター・ロックに乗せて宮本浩次のボーカルがみるみるうちに正気をなくしていく。その様子は「繊細な詩情」と、「すべてを突き破るような強烈な破壊衝動」という本来対極にあるはずの要素が、エレファントカシマシの核にあることを伝えるようだ。続いて破壊衝動の頂点とも言える「ガストロンジャー」では、赤に点滅するライトを背にラップともポエトリーリーディングとも異なる殴り書きのような叫びと、バンドの演奏がスリリングに絡み合う。本編の終盤を飾るのは「友達がいるのさ」。ここで「東京中の電気を消して夜空を見上げてえな」という歌詞に呼応してステージの照明がほぼすべて消えて夜空が会場を包むと、「今日は俺たちの友達だ、エブリバディ!」「おい、いい顔してるぞ!」と宮本が観客に呼び掛ける。本編ラストは「こんなに遅くまでありがとう」とデビュー・アルバムの一曲目「ファイティングマン」で締めくくった。

しかし、その後もアンコールを求める声が止まらない。そこでふたたびバンドが登場し、「最後にもう一曲聴いてください」と伝えてはじまったのは「俺たちの明日」。「さあがんばろうぜ!」と歌われるこの曲は、10代、20代、30代…と過去を振り返りながら、何より「これから」を生きていこうと背中を押す力強いナンバーだ。その最後の一音とともにカラフルな紙吹雪が会場に舞い、「エレファントカシマシでした、また会おう!」とバンドがステージを降りた瞬間、満開の花火が夜空に。多くの熱演が繰り広げられた1日目が幕を閉じた。

LIVE PHOTO

Text by 杉山仁
Photo by 上山陽介

エレファントカシマシ @SWEET LOVE SHOWER 2017
8/25(Fri)19:35〜 @LAKESIDE STAGE

1. 悲しみの果て
2. 今宵の月のように
3. デーデ
4. 風と共に
5. 風に吹かれて
6. RAINBOW
7. ガストロンジャー
8. 友達がいるのさ
9. ファイティングマン
EN. 俺たちの明日

SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2017

日程:2017年 8/25(金) – 27日(日)
場所:山梨 山中湖交流プラザきらら
公式サイト:https://www.sweetloveshower.com/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/spaceshower_sweetloveshower/

SWEET LOVE SHOWER 2017
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